Pest & Disease Control — 完全ガイド
観葉植物・塊根植物・多肉植物の
殺虫剤・殺菌剤スプレー農薬完全解説
「ホームセンターで農薬を選ぼうとしたら種類が多すぎて何を選べばいいかわからない」—— 実は市販のスプレー農薬は 有効成分のパターンが非常に限られています。 パッケージが違っても中身が同じ、ということが多い。 この記事では農薬の有効成分・系統・製剤タイプ・抵抗性・ローテーションの考え方から、 スプレー以外の人気製品まで徹底解説します。
最重要:最終判断は必ず製品ラベルで
農薬はラベルに記載された適用作物・適用病害虫・使用方法・使用回数を守る必要があります。この記事は成分の考え方を整理するものです。実際に使用する前は必ず製品ラベルとメーカー情報を確認してください。
病気と害虫はまったく別物|まずここを押さえる

農薬を選ぶ前に最も重要なのが「何と戦うのか」の整理です。虫が出たから殺菌剤を使っても意味がありません。ウイルス病に殺虫剤をかけてもまったく関係がない。まず分類を理解してから薬剤を選びましょう。
| 種類 | 原因 | 代表例 | 使う薬 | 出たらどうするか |
|---|---|---|---|---|
| 害虫 | 虫・ダニ | アブラムシ・ハダニ・カイガラムシ・アザミウマ | 殺虫剤・殺ダニ剤 | 殺虫剤でローテーション駆除 |
| 病気(糸状菌) | カビ・菌 | うどんこ病・灰色かび病・黒星病・ベト病 | 殺菌剤 | 予防が基本。発症後は拡大防止 |
| 病気(細菌) | 細菌 | 青枯病・軟腐病 | 抗生物質系農薬(市販なし) | 発症したら引き抜いて廃棄するしかない |
| 病気(ウイルス) | ウイルス | モザイク病 | 治療薬なし | 発症したら即引き抜いて廃棄。媒介虫対策が予防 |
細菌病・ウイルス病は家庭用農薬では対応できない
青枯病・軟腐病などの細菌系の病気に有効な抗生物質系農薬は、ホームセンターでは販売されていません。ウイルス病(モザイク病など)は植物用ワクチンも存在しないため、発症を確認したら即隔離・廃棄が唯一の対処法です。
農薬の製剤タイプを知っておこう|水和剤・乳剤・フロアブル・粒剤の違い

ホームセンターで「オルトランDX粒剤」「オルトランDX水和剤」のように、同じ名前に異なる言葉がついているのを見たことがあると思います。頭の商品名が同じであれば基本的に有効成分は同じですが、製剤(製品化の方法)が異なります。
💧 水和剤(すいわざい)
粉末状で水に溶かして使う。よく混ぜないと溶けにくい。散布後に白い跡が残りやすい。安価。
💧 水溶剤(すいようざい)
水和剤より溶けやすく均一になりやすい。白い跡が残りにくい。
🫙 乳剤(にゅうざい)
油系成分を乳化させた液体。水に混ざりやすく跡が残りにくい。やや高価。
🫧 フロアブル
あらかじめ乳化・懸濁させた液体。混ざりやすく白い跡が残りにくい。乳剤と同じくくりで捉えてよい。
🌾 粒剤(りゅうざい)
粒状。土にまいて根から吸収させる浸透移行性タイプが多い。オルトランDX粒剤など。
🖌️ ペースト剤
ジェル状。剪定後の切り口に塗って病気・虫の侵入を防ぐ。トップジンMペーストなど。
同じ「オルトラン」でも適用作物が違うことがある
オルトラン粒剤とオルトランDX粒剤は別製品で成分も異なります。さらに水和剤と粒剤では、同じ成分でも登録されている作物が違う場合があります。製品を変えるときは必ずラベルの適用作物を確認してください。
農薬を使う前に|環境を整えるだけで半分解決
農薬は虫や病気が出たあとに役立つものも多いですが、農薬だけに頼っていると再発を防ぎきれません。特に室内管理の観葉植物・多肉植物・塊根植物では、以下の点を見直すだけで発生頻度が大きく変わります。
空気の滞りを減らす
ハダニは乾燥局所を好み、うどんこ病・灰色かび病は多湿を好みます。空気を動かすことで両方の発生を抑えられます。
コバエ対策の基本
受け皿に水が残ると湿度が上がり、コバエの発生源になります。水やり後は必ず確認して捨てましょう。
早期発見が一番強い
水やりのついでに葉裏・新芽・株元を見るだけで、大発生前に止めやすくなります。
少量発生なら「手で取る・水で流す」が最善のこともある

少数なら手で取る
新芽や花芽に少しだけいる場合はティッシュや綿棒で取るだけでも大幅に減らせます。

葉裏を水で流す
乾燥を好むため、葉裏の水洗いと葉水が予防・初期対応になります。

初期なら洗い流し+環境改善
軽い初期症状なら葉を洗い、風通しと葉の濡れ時間を見直します。広がる場合は殺菌剤を検討します。
殺虫剤の有効成分を完全解説|市販品はこの4系統で理解できる

ホームセンターの殺虫スプレーは、パッケージが違っても有効成分はほぼ同じパターンの繰り返しです。以下の4系統+特殊成分を覚えるだけで、ほぼすべての市販殺虫剤を判断できるようになります。
① ネオニコチノイド系|現在最もメジャーな万能型殺虫成分
昆虫の神経系(ニコチン性アセチルコリン受容体)に作用し、大きなカメムシから小さなアブラムシ・コナジラミまで幅広く対応。ホームセンターの殺虫剤の約半数がこの系統を採用しています。
- クロチアニジン(農家通称:ダントツ)— 市販品に最も多く使われる
- アセタミプリド(農家通称:モスピラン)— 農家も多用。登録作物が幅広い
- ジノテフラン(農家通称:アルバリン・スタークル)— 残効性が長め
- チアメトキサム(農家通称:アクタラ)— 浸透移行性が特に高い
- イミダクロプリド(農家通称:アドマイヤー)— ネオニコ系の先駆け的成分
📦 この成分が入っている主な製品
ベニカベジフルスプレー



ダントツ水溶剤(プロ向け)



モスピラン粒剤
② 合成ピレスロイド系|即効性・ノックダウン型の殺虫成分
天然の除虫菊(ピレトリン)を人工合成した系統。液体が直接触れなくても、気化した成分だけでも虫が死ぬほどの速攻性が最大の特徴です(ノックダウン型)。ネコへの毒性が比較的高い(特にペルメトリン)ため、ネコのいる環境では製品選択に要注意。
- ペルメトリン — 代表的なピレスロイド。速攻性が高い
- エトフェンプロックス(農家通称:トレボン)— 速攻性+忌避効果あり
- フェンプロパトリン(農家通称:ロディー)— 接触毒。気化成分でも作用
- ビフェントリン(農家通称:テルスター)— ダニにも有効なピレスロイド
📦 この成分が入っている主な製品



ベニカXファインスプレー



パイベニカVスプレー
③ 有機リン系|古くから使われる広域殺虫成分
オルトラン・スミチオン・マラソンなど、ホームセンターでよく見かける安価な殺虫剤の多くがこの系統です。非常に幅広い虫に対応できますが、長年使われてきたため特にアブラムシは抵抗性を持つものが多くなっています。独特の強いにおいがするのも特徴です。
- アセフェート(商品名:オルトラン)— 浸透移行性あり。土まきでも使える
- フェニトロチオン(商品名:スミチオン)— 速攻性が高く幅広い用途
- マラチオン(商品名:マラソン)— 比較的マイルドな有機リン系
📦 この成分が入っている主な製品



オルトラン粒剤



スミチオン乳剤
④ 特殊成分・生物農薬|知っておくと一段上の使い手に
自然界の微生物(バチルス・チューリンゲンシス菌)を利用した生物農薬。幼虫が葉を食べることで菌が消化管にダメージを与えます。人に対する毒性はほぼなし。アブラムシ・ハダニ・カメムシには効きません。
📦 この成分が入っている主な製品



ベニカナチュラルスプレー
油・デンプン・界面活性剤で虫の気門(呼吸口)を塞いで窒息させる仕組み。神経毒ではなく物理的作用のため、使用回数の制限がないタイプが多い(要ラベル確認)。大量発生には不向き。
📦 この成分が入っている主な製品



ロハピ



マシン油乳剤
筋肉を収縮させる新系統(IRAC 28・ジアミド系)。ネオニコ・ピレスロイドに抵抗性がついた虫にも有効。農家向けの成分が初めて市販化。
📦 この成分が入っている主な製品



カダンベジMAX
農家も信頼する成分。チョウ・ガの幼虫(芋虫・青虫系)に非常によく効き、ハダニにも有効。カメムシや甲虫系には効きにくい。
📦 この成分が入っている主な製品



アファーム乳剤



ベニカXネクストスプレー
BT剤の仕組み|青虫・芋虫系に特化した生物農薬


BT剤は青虫・芋虫系(チョウ・ガの幼虫)が葉を食べることで効果を発揮します。即死するタイプではなく、食欲を失ってから徐々に死亡するため「効いていない」と思われがちですが、食害は散布直後からほぼ止まります。アブラムシ・ハダニ・カメムシには基本的に効果がありません。
幼虫が薬剤の付いた葉を食べることで菌を取り込みます。
食べた幼虫は食欲を失い、葉を食べる量がほぼゼロになります。
BT剤の作用により幼虫の消化管に影響が出ます。
数日かけて死亡。即死ではないが食害は止まっているため被害は出ません。
浸透移行性農薬のメリット|スプレーが届かない場所にも


かけ忘れを補いやすい
根や葉から吸収された成分が行き渡るため、 葉裏の虫にも対策しやすくなります。


隠れた害虫に
葉の中に潜るハモグリバエなどは 表面散布だけでは届きにくいことがあります。


虫を見たくない人にも
土にまいて根から吸わせるタイプは、 虫に直接スプレーするのが苦手な人にも向きます。
食品原料由来・気門封鎖系スプレーの使い分け


ハダニ・アブラムシ初期に
カプリン酸グリセリル(食品添加物由来)で気門を封鎖。使用回数制限のないタイプとして初期発生・ローテーションのつなぎに使いやすい。
食品添加物由来ポチップカード作成後にここへ


継続的な予防管理に
酢酸系スプレー(農薬登録名:酢酸)。継続してかけ続けることで植物自身が病気・虫に強い体を作りやすくなる予防型。即効性はない。
食品成分ポチップカード作成後にここへ


軽度発生の補助に
食品由来系の界面活性剤を活用。軽い虫・病気対策の補助として取り入れやすい。
食品由来系ポチップカード作成後にここへ
*ハダニは殺虫剤が効かない・卵に効く成分が 限られるなど、他の害虫とは対策が大きく 異なります。ハダニだけを深掘りした 専門記事はこちらです⬇︎⬇︎


殺菌剤の有効成分を解説|「予防型」と「治療型」を使い分けよう


「治療薬」の意味を誤解しないために
病原菌は症状が出るずっと前(何週間も前)に植物内部に侵入しています。「治療薬」とは、症状が出る前に内部の菌を退治できるという意味です。葉に出た病斑が消えるわけではありません。病気は出る前の予防が最重要。
殺菌剤の三強|トップジンM・ベンレート・ダコニール
ホームセンターに必ず置いてあり、安価で幅広いカビ系(糸状菌)病気に対応できる3製品です。この3つを交互に使えば、家庭園芸レベルの多くのカビ系病気に対応できます。
トップジンM水和剤


ベンレートと並ぶ殺菌剤の「二大巨頭」。幅広いカビ系病気(うどんこ病・灰色かび病・黒星病など)に予防・初期治療効果あり。
- 幅広いカビ系病気に対応
- 予防+初期治療の両方の効果
- ベンレートと交互使用で抵抗性対策
ベンレート水和剤


トップジンMと並ぶ殺菌剤の「二大巨頭」。家庭菜園ではこの2つを交互に使うのが基本パターン。
- トップジンMと交互に使うのが基本
- 幅広いカビ系病気に対応
- 長年の実績がある殺菌剤
ダコニール1000


トップジンM・ベンレートとは系統が違う予防型殺菌剤。この3つを揃えることでほぼすべてのカビ系病気に対応できます。
- 三強の中でローテーション可能な別系統
- 幅広いカビ系病気に対応する予防型
- フロアブルタイプで白い跡が残りにくい
ジマンダイセン水和剤


三強では対応しにくいベト病・疫病(葉がとろける系の病気)に有効。「三強+1枚」として持っておきたい必備品。
- 三強では対応できないベト病・疫病向け
- ベト病が出やすい時期の前から予防散布が効果的
- ホームセンターで入手しやすく安価
ボルドー剤|300年使われ続ける「超予防薬」
ボルドー剤は植物の表面に銅+石灰の保護膜を張り、病気が侵入できなくするという物理的なバリア型予防薬です。カビ系(糸状菌)だけでなく細菌系の病気にも予防効果があります。ただし、病気が出てからかけても意味がありません。
📦 ボルドー剤の主な製品


ボルドー剤
カリグリーン|うどんこ病の特効薬的存在
炭酸水素カリウムを有効成分とする殺菌剤で、Amazonの農薬人気ランキングでも上位に入る製品。うどんこ病に対してよく効くとして知られています。食品由来の成分のため残留リスクが少なく、観葉植物・野菜・果樹にも使いやすい。
食品由来系 うどんこ病に有効この成分が入っている主な製品
ベト病・疫病は「三強」では効かない
うどんこ病・灰色かび病には三強が有効ですが、ベト病・疫病(葉がとろける系の病気)はカビの仲間でも種類が全く違うため、三強ではほとんど効きません。ジマンダイセン・ボルドー剤など専用の予防薬を別途確保しておきましょう。
*「うどんこ病が繰り返す」「白い粉が消えない」という場合は、殺菌剤の選び方より先に発症メカニズムを理解することが重要です。うどんこ病を徹底解説した専門記事はこちらです⬇︎⬇︎


抵抗性とローテーション|薬が「効かなくなる」理由と対策


同じ農薬を繰り返し使うと虫・菌の側に「抵抗性(耐性)」が生まれます。アブラムシは処女生殖で急速に増えるため、抵抗性のある個体が残ると一気に広まります。系統を変えてローテーションすることで抵抗性の発生を遅らせられます。
🔄 ローテーションの基本パターン(殺虫剤)
🔄 ローテーションの基本パターン(殺菌剤)
IRACコードとは?系統を判断する指標
殺虫剤にはIRACコードという国際的な分類番号があります。「4A=ネオニコチノイド系」「3A=ピレスロイド系」「1B=有機リン系」「28=ジアミド系(フルベンジアミドなど)」。同じコード同士は連用を避ける判断の目安になります。
スプレー以外の人気製品|粒剤・水和剤・ペースト剤
🌾 粒剤・水溶剤タイプ(殺虫)
オルトランDX粒剤


土にまいて根から吸収させる浸透移行性の粒剤。葉の表裏にスプレーしなくても植物全体に成分が行き渡るため、葉裏の虫・隠れた場所の虫にも対策しやすい。虫を見たくない人・鉢数が多い人の予防管理に最適。※オルトラン粒剤(アセフェート単剤)とは別製品。
- 土まき一度で植物全体に効く浸透移行性
- 葉裏・隠れた場所の虫にも対策しやすい
- ネオニコ+有機リンの2成分配合
オルトラン粒剤


有機リン系のアセフェートのみの粒剤タイプ。DX粒剤よりシンプルな成分構成で、コスパが良く長年使われてきた定番品。
- アセフェート単剤のシンプル設計
- 価格が手頃な定番粒剤
- DX粒剤と適用作物が異なることがあるため確認を
ダントツ水溶剤


市販スプレーに最も多く配合されているクロチアニジンの単剤水溶剤。コスパが非常に高く、大量に使う人・プロ志向の家庭園芸家に向いています。
- 市販スプレー最多配合成分の単剤
- 自分で希釈するため大量使用時のコスパが高い
- 農家も使うプロ向け製品と同じ有効成分
マシン油乳剤


油で虫の気門(呼吸口)を塞いで窒息死させる物理的な殺虫剤。有機栽培でも使えるほど毒性がなく、カイガラムシ・ハダニ・コナジラミに有効。
- 農薬的な毒性がほぼゼロ
- 有機栽培でも使用可能
- カイガラムシ・ハダニに有効
🍄 殺菌剤系(水和剤・ペースト)
トップジンMペースト


剪定・切り戻し後の切り口に塗る保護殺菌剤。500円玉以上の大きな切り口ができたら必ず塗ることが推奨されています。木を剪定する人は必ず持っておきたい定番品。
- 剪定後の切り口を病気・虫から守る
- 500円玉以上の切り口には必ず使用を
- 木を育てる人の必需品
ICボルドー66D(ボルドー液)


植物表面に銅と石灰の保護膜を作り、糸状菌・細菌の両方の侵入を防ぐ予防専用薬。300年以上使われ続けてきた歴史ある農薬。病気が出てからかけても効果なし。
- 糸状菌・細菌の両方に予防効果
- 発症前から継続散布することで真価を発揮
- 300年以上使われ続ける実績ある予防薬
カリグリーン


Amazon農薬ランキング上位の常連。うどんこ病に対してよく効くとして知られており、食品由来の成分のため残留リスクが少ない。
- うどんこ病に特化した効果
- 食品由来成分で残留リスクが少ない
- Amazon農薬人気ランキング常連
ジマンダイセン水和剤


三強が効かないベト病・疫病(葉がとろける系の病気)への予防薬。「三強+1枚」として持っておきたい必備品。
- 三強が効かないベト病・疫病向け
- ホームセンターで必ず入手できる
- 安価で使いやすい予防型殺菌剤
スプレー系おすすめ製品|農家目線のホンネ評価


家庭用スプレー農薬の最強2本
「この2つ揃えておけば家庭園芸なら大概いけるんじゃないかな」— カダンベジMAX(農家第一線成分配合)+ ベニカXネクストスプレー(多成分配合)が現時点の最強コンビです。
カダンベジMAX


農家の第一線で使われる3成分が初めて市販化。ネオニコ・ピレスロイドに抵抗性がついた虫にも有効な全く新しい作用機構。ローテーションの切り札として最強の一本。
- 抵抗性を持った虫にも対応できる新系統
- 農家第一線の3成分を一本に凝縮
- 吸汁害虫+芋虫+殺菌に対応
ベニカXネクストスプレー


殺虫(ネオニコ+ピレスロイド)+選択性殺虫(ピリダリル)+殺菌2種を一本に。虫も病気もこれ一本で初動対応できます。
- 5成分配合で虫・病気を一本でカバー
- ピリダリルで効果が長持ち
- 殺菌2成分で病気予防も
*「最強2本」の一角として紹介したベニカXネクストスプレーですが、同じ「ベニカ」ブランドにはXスプレー・Xファイン・Xネクストと複数のラインがあり、有効成分・対応できる害虫・病気・使える植物がそれぞれ異なります。「どのベニカを選べばいいか」を成分レベルで徹底比較した記事はこちら⬇︎⬇︎


虫・病気の種類別|対策早見表
| 対象 | 初動 | 使いやすい対策 | ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| カイガラムシ | 見つけた瞬間に捕殺・拭き取り | 綿棒・マシン油乳剤・気門封鎖系・ネオニコ系 | 若齢幼虫のうちに叩く | 放置するとすす病・アリにつながる |
| ハダニ | 葉裏を確認し水で洗い流す | 葉水・マシン油乳剤・ロハピ・ミルベメクチン配合品 | 昆虫ではなく殺ダニ成分か気門封鎖系を使う | 卵が残りやすい。1回で終わらせない |
| アブラムシ | 新芽・花芽を確認し少数なら水で流す | ネオニコ系・ロハピ・フルニカミド配合品 | 発生初期に処理。抵抗性対策にローテを | 新芽は薬害が出やすい。強光下散布を避ける |
| アザミウマ | 葉・花の変形・銀色の傷を確認 | ネオニコ系・フルニカミド配合品 | 目に見えにくいが花・新芽への被害が大きい | 抵抗性がつきやすい→ローテが特に重要 |
| コバエ | 受け皿の水・有機質の多い湿った土を見直す | 表土を無機質化・粘着トラップ・オルトランDX粒剤 | 化粧砂を2〜3cm敷くと産卵しにくい | 成虫だけ取っても土中の卵・幼虫が残ると再発 |
| 芋虫・青虫 | 見つけ次第テデトール(手で取る) | BT剤・エマメクチン配合品 | 屋外管理・家庭菜園で特に注意 | 観葉植物では発生頻度は低め |
| うどんこ病 | 初期なら洗い流し+風通し改善 | カリグリーン・ロハピ・ミクロブタニル配合品・トップジンM | 発生初期に対処。葉の濡れ時間を短く | 病斑が広がる前に対応。環境改善も必須 |
| 灰色かび病 | 患部の葉を除去・隔離 | トップジンM・ベンレート・ダコニール | 多湿・密植・換気不足が原因。環境改善が重要 | 発症した葉は取り除くしかない |
| ベト病・疫病 | 患部の葉を除去・隔離 | ジマンダイセン・ボルドー液(発症前予防が基本) | 三強では効かない。専用品を確保 | 多湿環境で発生。水はけ改善が予防 |
| 青枯病・軟腐病(細菌) | 発症したら即引き抜いて廃棄 | 市販の農薬では対応不可 | 連作を避ける・土壌消毒が予防 | 治療薬なし。引き抜く以外に方法なし |
*ハダニは殺虫剤が効かない・卵に効く成分が 限られるなど、他の害虫とは対策が大きく 異なります。ハダニだけを深掘りした 専門記事はこちらです⬇︎⬇︎


*早見表はあくまで初動の目安です。うどんこ病は発症メカニズムを理解しないと繰り返します。原因から予防・殺菌剤ローテーションまでを完全解説した専門記事はこちらです⬇︎⬇︎


虫や病気を見つけたときの対応


まずテデトール(手で取る)
バッタ・ヨトウムシ・コガネムシなどは見つけ次第で取るのが最も早く確実です。


葉裏・新芽・株元を確認
アブラムシ・ハダニ・カイガラムシは少数なら水洗い・捕殺・気門封鎖系で対応します。


殺菌剤+環境改善
薬剤だけでなく風通し・枯葉整理・水管理の見直しが必要です。


切り口を乾かす+ペースト
剪定後は病気が入りやすい。大きな切り口にはトップジンMペーストを塗りましょう。


虫を持ち込まない
屋外管理株は室内へ入れる前に葉裏・株元・鉢底・土の表面を確認します。


他の株に広げない
虫や病気を見つけたらまず他の植物から離して観察します。
有効成分 総まとめ一覧|ラベルを見るための早見表
| 成分名 | 系統・IRAC | 農家通称 | 特徴・注意点 | 代表市販品 |
|---|---|---|---|---|
| 🧬 殺虫剤 — ネオニコチノイド系(IRAC 4A) | ||||
| クロチアニジン | ネオニコ系 4A | ダントツ | 市販品に最も多く配合。幅広い害虫に対応 | ベニカベジフルスプレー・ダントツ水溶剤など |
| アセタミプリド | ネオニコ系 4A | モスピラン | 農家も多用。登録作物が幅広い | モスピラン粒剤など |
| ジノテフラン | ネオニコ系 4A | アルバリン・スタークル | 残効性が長め | ガーデン花糸など |
| チアメトキサム | ネオニコ系 4A | アクタラ | 浸透移行性が特に高い | DCM虫と病気スプレーなど |
| イミダクロプリド | ネオニコ系 4A | アドマイヤー | ネオニコ系の先駆け的成分 | 各種粒剤・スプレーなど |
| ⚡ 殺虫剤 — 合成ピレスロイド系(IRAC 3A) | ||||
| ペルメトリン | ピレスロイド系 3A | — | 代表的なピレスロイド。速攻性。ネコへの毒性に注意 | ベニカXファインスプレーなど |
| エトフェンプロックス | ピレスロイド系 3A | トレボン | 速攻性+忌避効果。農家の連用で抵抗性問題も | アースガーデン花糸など |
| フェンプロパトリン | ピレスロイド系 3A | ロディー | 接触毒。気化成分でも作用 | ベニカXネクストスプレーなど |
| ビフェントリン | ピレスロイド系 3A | テルスター | ダニにも有効なピレスロイド | アタック1ALなど |
| 🧪 殺虫剤 — 有機リン系(IRAC 1B) | ||||
| アセフェート | 有機リン系 1B | オルトラン | 浸透移行性あり。土まきでも使える。強いにおいあり | オルトラン粒剤・オルトランDX粒剤など |
| フェニトロチオン | 有機リン系 1B | スミチオン | 速攻性が高く幅広い用途。抵抗性が広まりつつある | スミチオン乳剤など |
| マラチオン | 有機リン系 1B | マラソン | 比較的マイルドな有機リン系 | マラソン乳剤など |
| 🌿 殺虫剤 — 特殊・生物農薬・気門封鎖系 | ||||
| フルベンジアミド | ジアミド系 28 | フェニックス | 筋肉収縮作用。抵抗性虫にも有効な新系統 | カダンベジMAX |
| フルニカミド | スルホキサフロル系 29 | ウララDF | 吸汁行動を阻害。アブラムシ・アザミウマ向き | カダンベジMAX |
| エマメクチン安息香酸塩 | アベルメクチン系 6 | アファーム | 芋虫・青虫に高効果。ダニにも有効 | コメリガーデンパワーなど |
| ミルベメクチン | マクロライド系 6 | コロマイト | ダニ専門の殺ダニ成分 | アースガーデン岩花など |
| カプリン酸グリセリル | 気門封鎖系 | — | 食品添加物由来。回数制限なし(要ラベル確認) | ロハピ |
| 鉱物油(マシン油) | 気門封鎖系 | — | 油で窒息。毒性なし。有機栽培でも可 | マシン油乳剤 |
| バチルス・チューリンゲンシス菌 | 生物農薬 | BT剤 | 芋虫・青虫専用。人体への毒性ほぼなし | ベニカナチュラルスプレーなど |
| 🍄 殺菌剤 | ||||
| チオファネートメチル | ベンズイミダゾール系 | トップジンM | 幅広いカビ系病気に有効。予防+初期治療 | トップジンM水和剤・ペーストなど |
| ベノミル | ベンズイミダゾール系 | ベンレート | トップジンMと並ぶ殺菌二大巨頭 | ベンレート水和剤など |
| クロロタロニル(TPN) | 有機塩素系(別系統) | ダコニール | 幅広いカビ系病気に予防効果。三強の一角 | ダコニール1000など |
| マンコゼブ | 有機硫黄系 | ジマンダイセン | ベト病・疫病への予防に有効。三強が効かない場合に | ジマンダイセン水和剤など |
| ミクロブタニル | DMI系・トリアゾール系 | ラリー | 市販殺菌剤に最多配合。治療型 | ベニカXネクストスプレーなど |
| マンデストロビン | ストロビルリン系 | — | 幅広いカビ病に有効な予防型 | ベニカXネクストスプレーなど |
| ピラジフルミド | SDHI系 | パレード20 | 農家第一線の最新殺菌成分。予防+治療 | カダンベジMAX |
| 塩基性硫酸銅 | 銅系保護殺菌剤 | ボルドー | 糸状菌・細菌の両方に予防効果。300年の歴史 | ICボルドー66Dなど |
| 炭酸水素カリウム | 食品由来系殺菌剤 | カリグリーン | うどんこ病に特化。食品由来で残留リスク少 | カリグリーンなど |
よくある質問(FAQ)


有効成分名を見ることで判断できます。同じ成分が違うパッケージで並んでいるだけのことがほとんどです。「ネオニコ系(クロチアニジンなど)」か「ピレスロイド系(ペルメトリンなど)」かを確認して、2系統を揃える意識で選ぶと迷いません。
別製品です。オルトラン粒剤の有効成分はアセフェート(有機リン系)のみ。オルトランDX粒剤はクロチアニジン(ネオニコ系)+アセフェート(有機リン系)の2成分配合です。成分が違うため適用作物(使える植物の種類)も異なる場合があります。必ずラベルを確認してください。
*オルトランとオルトランDXの違いは有効成分・適用作物・においの強さ・効く虫の範囲など、成分レベルで整理すると非常に多岐にわたります。「どちらを買えばいいか」を観葉植物・塊根植物・多肉植物への使い方まで含めて完全解説した専門記事はこちら⬇︎⬇︎


多くのカビ系(糸状菌)病気はトップジンM・ベンレート・ダコニールの三強で対応できますが、ベト病・疫病(葉がとろける系の病気)にはこれらがほとんど効きません。+1としてジマンダイセン(またはボルドー液)を持っておくと、家庭園芸レベルのほぼすべての病気に対応できます。
治りません。ボルドー剤は予防専用の農薬です。植物の表面に銅と石灰の保護膜を作り、病気が侵入できなくする仕組みのため、病気が出てからかけても意味がありません。病気が出る前から定期的に散布して保護膜を維持し続けることで真価を発揮します。
ダニは昆虫ではないため、昆虫に作用する殺虫剤では効きにくい場合があります。気門封鎖系(マシン油乳剤・ロハピ)か、殺ダニ成分(ミルベメクチン)配合品を選ぶのが基本です。まず葉裏を水で洗い流し、その後に適切な薬剤を使いましょう。
同じ薬を繰り返すと、たまたまその薬に強い個体が残り、その系統の薬が効きにくい集団が増殖するためです(抵抗性)。有機リン系→ネオニコ系と世代交代してきたように、連用すると「また効かなくなる虫」が生まれます。ネオニコ系とピレスロイド系を交互に使うだけでも抵抗性の発生を大きく抑えられます。
すでに出た症状(病斑・粉など)が消えるわけではありません。病原菌は症状が出るずっと前から植物内部に侵入しています。「治療効果」とは、その潜伏期間中の菌を退治できるという意味です。症状が出た葉は取り除き、拡大を防ぐことに集中しましょう。病気は予防が最重要です。
商品名ではなく「有効成分名」でカウントします。違う商品でも同じ成分が入っていれば総使用回数として合算して考える必要があります。多成分入りスプレーを複数使う場合は特に有効成分欄を確認しましょう。
まとめ|農薬選びは成分名を見るだけで変わる
虫が相手なら殺虫剤、病気が相手なら殺菌剤、ダニは専用成分か気門封鎖系が必要です。ウイルス病・細菌病は市販農薬では対応できません。
パッケージではなくラベルの「有効成分」欄を確認。製剤タイプ(水和剤・乳剤・粒剤など)は使いやすさの違いで成分は同じです。
この2系統を交互に使うだけで抵抗性の発生を大きく抑えられます。有機リン系は安価ですが抵抗性が広まっているため補助的な位置づけで。
トップジンM・ベンレート・ダコニールの三強を交互に使い、ベト病・疫病が出たときのためにジマンダイセンを1本確保。ボルドー剤は超予防薬として定期散布に活用。
商品が違っても同じ成分なら使用回数は合算して考えます。最終確認は必ずラベルで。










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