Spider Mite Control — 完全ガイド
観葉植物・塊根植物・多肉植物の
ハダニ完全対策|見分け方・駆除・予防を徹底解説
「葉が白くかすれてきた」「葉裏に極小の虫がいる」——それはほぼ確実にハダニです。ハダニは昆虫ではないため普通の殺虫剤がほぼ効かず、しかも1週間で爆発的に増殖するという最厄介な害虫。この記事では種類の見分け方から、卵・幼虫・成虫への効果別薬剤比較、植物別の対策まで他に類を見ない深さで徹底解説します。
最重要:ハダニに「普通の殺虫剤」をかけても効果はほぼゼロ
ハダニはクモの仲間(クモ形類)であり昆虫ではありません。ネオニコチノイド系・ピレスロイド系・有機リン系などの一般的な殺虫剤は昆虫の神経系に作用するため、ハダニにはほぼ効きません。殺ダニ専用成分か気門封鎖系を選ぶことが絶対条件です。
ハダニとは何か?|「昆虫ではない」ことが全ての出発点

ハダニを正しく駆除するには、まず「ハダニは昆虫ではない」という基本を理解することが不可欠です。ハダニはクモやサソリと同じクモ形類に属し、成虫は脚が8本あります(昆虫は6本)。この生物学的な違いが、薬剤選択で致命的な間違いを生む原因です。
| 項目 | ハダニ | 一般的な昆虫(アブラムシ等) |
|---|---|---|
| 分類 | クモ形類・ダニ目 | 昆虫綱 |
| 脚の数 | 成虫:8本(幼虫は6本) | 6本 |
| 体長 | 0.3〜0.5mm(肉眼でかろうじて見える) | 種による(アブラムシ0.5〜3mm) |
| 繁殖スピード | 夏場は約7〜10日で1世代 | 種による |
| 好む環境 | 高温・低湿度・空気の滞り | 種による |
| 有効な薬剤 | 殺ダニ専用成分・気門封鎖系 | 殺虫剤(ネオニコ・ピレスロイド等) |
| 卵の硬さ | 多くの薬剤が効かない(卵別対策が必要) | 比較的薬剤が浸透しやすい |
| 糸を張る | 大発生時に白い糸を張る | なし |
「ダニ太郎」「コロマイト」は殺虫剤ではなく「殺ダニ剤」
農薬のラベルに「殺虫剤」と書いてあるものは昆虫向けです。ハダニには「殺ダニ剤(アカリサイド)」と書かれた専用製品か、物理的に気門を塞ぐ気門封鎖系を選んでください。殺虫と殺ダニは別カテゴリの製品です。
ハダニの種類と色の見分け方|日本で多い3種
日本の観葉植物・多肉植物・塊根植物で問題になるハダニは主に3種類。色と発生時期・好む植物で見分けることができます。ただし種類によって薬剤の効き方は大きく変わらないため、駆除方法は基本的に同じと考えて問題ありません。
黄緑〜黄色の体色
国内で最も発生頻度が高い。体色は黄緑〜黄色で、両脇に黒い斑点がある。高温乾燥を非常に好む。観葉・多肉・塊根のほぼ全植物で発生する。
赤〜暗赤色の体色
体色が赤いため「赤ダニ」とも呼ばれる。比較的低温でも活動できる。多肉植物・塊根植物・バラ類で多く発生する。春・秋に特に注意が必要。
赤色の体色(室内・温室で多い)
ナミハダニと非常によく似るが体色が赤みがかる。室内・温室の植物で周年発生しやすい。観葉植物全般に広く発生する厄介な種。
肉眼での見分け方|白い紙を使う
怪しい葉を白い紙の上でトントンと軽く叩くと、ハダニが落ちて動くのが見えます。ナミハダニは黄緑色の小さな点、カンザワハダニは赤い点として確認できます。動かなければ単なる汚れです。1mm以下で動いていればハダニと判断してください。
ハダニ被害症状の見分け方|初期・中期・重症の段階別チェック

ハダニの被害はじわじわと進行するため、気づいたときには既に重症になっていることも。以下の段階別症状を覚えてできるだけ初期に発見することが、最も重要な対策です。
葉に白い小さな点々
葉の表面に細かい白〜黄白色の点(かすり傷のような跡)が現れる。ハダニが葉の細胞を吸汁した痕。葉裏を見ると極小の粒と糸が見える段階。
葉全体が白っぽく退色
かすり症状が葉全体に広がり、葉が白緑色〜シルバー色に変色する。光合成能力が低下。葉裏に多数のハダニと細い白い糸が確認できる段階。
白い糸でクモの巣状に
植物全体に白い糸が張り巡らされた状態。葉が枯れ始め、落葉する。この段階では他の株への移動リスクが非常に高い。即隔離・薬剤対応が必要。
| 症状 | 原因・詳細 | 対処 |
|---|---|---|
| 葉表面の白い点々(かすり) | ハダニが葉の細胞を吸汁した痕。点が集まって面になる | 初期→水洗い。複数なら殺ダニ剤 |
| 葉全体のシルバー〜白化 | 大量吸汁で葉緑素が破壊される。光合成能力が著しく低下 | 殺ダニ剤を7〜10日間隔で3回 |
| 葉裏の白い糸・網状構造 | ハダニが出す糸。大発生のサイン。糸の中に卵・幼虫がいる | 即隔離。糸ごと水で洗い流してから薬剤 |
| 落葉・生育不良 | 重症段階。光合成が機能しなくなる | 回復に時間がかかる。根張りが健全なら復活の見込みあり |
| 茶色い点(塊根・多肉) | 吸汁による組織のコルク化。多肉・塊根で起きやすい | 見た目は残るが被害が止まれば成長は続く |
ハダニのライフサイクル|なぜ「1回の散布」では終わらないのか
ハダニ駆除で最も重要な知識がライフサイクルの理解です。「薬をかけたのに再発した」という方のほとんどが、ライフサイクルを無視した1回散布で終わらせているケースです。
なぜ7〜10日おきに3回散布しなければいけないのか
薬剤をかけても卵に効かないタイプが多いため、散布時点の成虫・若虫は死んでも卵が残ります。その卵が孵化(2〜4日後)→若虫になった頃(3〜5日後)=合計7〜10日後に2回目を散布することで、生き残りを叩きます。これを3回繰り返して初めて「全世代」に対応できます。
🔄 7〜10日おきに3回散布が必須な理由
ハダニの発生しやすい時期と環境条件
ハダニは高温・低湿度・通気不良の三拍子が揃ったときに爆発的に増殖します。室内管理の植物でも条件次第で周年発生することがあり、油断は禁物です。
| 条件 | ハダニが好む環境 | 対策方向性 |
|---|---|---|
| 温度 | 25〜35℃が最適(15℃以下で活動が鈍る) | 夏場の屋外・室内高温に特に注意 |
| 湿度 | 低湿度(40〜50%以下)を好む | 葉水・加湿器で湿度を上げる |
| 風通し | 空気の滞りを好む(葉裏に定着しやすい) | サーキュレーターで空気を動かす |
| 密集栽培 | 株同士が接触すると急速に伝播 | 鉢と鉢の間隔を確保する |
| チリやホコリ | 葉のほこりがハダニの隠れ家になる | 定期的に葉を拭き・洗う |
ハダニの早期発見チェックリスト|週1回これだけ確認する

ハダニは葉の裏側に寄生します。表から見るだけでは発見が遅れます。新芽・成長点周辺・中葉の葉裏を重点的に。スマートフォンのカメラでマクロ撮影するだけでも十分です。
葉を白い紙の上でトントンと叩き、落ちてきた粒が動くかどうか確認します。0.3〜0.5mm程度の粒が動けばハダニです。ナミハダニは黄緑色、カンザワハダニは赤色です。
葉の表面に白〜黄白色の細かい点が散在していないか確認します。日焼けとの違いは、日焼けは光が当たった面に均一に出るのに対し、ハダニのかすりは不規則な点の集合です。
ハダニは柔らかい新芽・若葉を好みます。成長点周辺の葉裏は特に要注意。新芽の展開が遅い・歪んでいる場合はハダニの可能性があります。
葉と葉の間・葉裏に細い白い糸が見えたら大発生のサインです。この段階では既に数百〜数千匹いる可能性があります。即隔離・薬剤対応が必要です。
ハダニ駆除の基本ステップ|隔離→水洗い→薬剤の順番を守る
他の株から離す
ハダニは株同士の接触・歩行・風で広がります。発見したら即座に他の植物から50cm以上離して隔離。作業後は手洗いを忘れずに。
物理的に数を減らす
シャワーや霧吹きで葉裏に強めに水をかけ、成虫・幼虫・糸を物理的に洗い流します。これだけで7〜8割は除去できます。薬剤の前に必ず実施。
葉裏にしっかりかける
殺ダニ剤は葉裏に丁寧に散布します。ハダニが寄生しているのは葉裏なので、葉の表だけかけても効果が半減します。
成分を変えて繰り返す
卵から孵化した幼虫が薬剤に当たるよう7〜10日間隔で散布します。成分を変えること(ローテーション)で抵抗性対策にもなります。
白い紙テストで確認
3回目の散布後7日経過後に白い紙テストを実施。動くハダニが確認されなければ駆除完了です。その後は予防管理に移行します。
環境改善で再発を防ぐ
駆除完了後は風通し・葉水・定期チェックの習慣をつけます。夏場は2週間に1回の葉裏確認と、気門封鎖系の予防散布がおすすめです。
*ハダニ専用の薬剤を選ぶ前に、農薬全体の成分系統・製剤タイプ・抵抗性の考え方を整理しておくと選びやすくなります。農薬の基礎から知りたい方はこちらの記事をどうぞ⬇︎⬇︎

ハダニに有効な成分を完全解説|4系統を使い分ける

ハダニに使える薬剤成分は大きく4系統に分けられます。それぞれ卵・幼虫・成虫への効き方が異なるため、系統を理解して組み合わせることがポイントです。
油や食品由来成分でハダニの気門(呼吸口)を物理的に塞いで窒息死させます。化学農薬ではなく物理的な作用のため抵抗性が生まれません。大量発生には効果が弱いため「初期・予防・ローテーションのつなぎ」として活用するのが正しい使い方。
- カプリン酸グリセリル(商品名:ロハピ)— 食品添加物由来。使用回数制限なし
- 鉱物油(マシン油)(商品名:各マシン油乳剤)— 有機栽培でも可。カイガラムシにも効く
- デンプン液剤(商品名:デンプン乳剤)— 食品成分100%。子供・ペットに最も安心
この成分が入っている主な製品
ロハピ


マシン油乳剤
ハダニの神経(グルタミン酸作動性塩素イオンチャネル)に作用する系統。即効性が高く、散布後すぐに効果が出るのが特徴。卵への効果は低めなので、ライフサイクルを考えた繰り返し散布が必要。
- ミルベメクチン(商品名:コロマイト乳剤)— 速効性の高い殺ダニ専用成分
- エマメクチン安息香酸塩(商品名:アファーム乳剤)— 芋虫にも有効な兼用成分
この成分が入っている主な製品


コロマイト乳剤
ハダニの脱皮・成長を阻害する系統。成虫には効きにくいが卵〜幼虫への効果が非常に高いのが最大の特徴。「卵に効かない」という問題を解決できる唯一の系統。IRAC 6系と組み合わせることで全ステージに対応できます。
- エトキサゾール(商品名:バロックフロアブル)— 卵・幼虫に特化した IRAC 10B
- クロフェンテジン(商品名:ダニ太郎)— 卵・若虫に効く IRAC 10A
- ヘキシチアゾクス(商品名:ニッソラン)— 卵〜若虫特化。残効性が長め
この成分が入っている主な製品


バロックフロアブル


ダニ太郎
気門封鎖成分と殺ダニ成分を組み合わせた製品。初動対応として便利ですが、複数成分が入っているため使用回数のカウントに注意が必要です。
- ベニカXネクストスプレー— ミルベメクチン配合の複合タイプ
- アースガーデン 葉ダニアースシャワー— 即効性と持続性を兼ね備えた製品
この成分が入っている主な製品


ベニカXネクストスプレー
*複合タイプの代表として紹介したベニカXネクストスプレーですが、住友化学園芸のベニカシリーズにはXスプレー・Xファイン・Xネクストと複数のラインがあり、含まれる殺ダニ成分の有無・対応できる病害虫の幅・使える植物がそれぞれ異なります。ハダニ対策のローテーションに組み込む前に、どのベニカを選ぶべきか確認しておくと薬剤選びがスムーズになります⬇︎⬇︎


ハダニに効く薬剤と卵・幼虫・成虫への効果比較表|選び方の核心


ハダニ駆除を成功させるカギは「どの薬剤がどのステージに効くか」を理解することです。以下の表を活用して、薬剤の組み合わせを設計してください。
| 成分名(商品名) | IRAC系統 | 卵 | 幼虫 | 若虫 | 成虫 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| カプリン酸グリセリル (ロハピ) |
気門封鎖 | △ | ◎ | ◎ | ◎ | 回数制限なし。予防・初期に |
| 鉱物油 (マシン油乳剤) |
気門封鎖 | △ | ◎ | ◎ | ◎ | 有機栽培可。カイガラムシにも |
| ミルベメクチン (コロマイト) |
IRAC 6 | ✕ | ◎ | ◎ | ◎ | 速効性◎。卵対策は別途必要 |
| エトキサゾール (バロックフロアブル) |
IRAC 10B | ◎ | ◎ | △ | ✕ | 卵対策の最有力。成虫は別で |
| クロフェンテジン (ダニ太郎) |
IRAC 10A | ◎ | ◎ | △ | ✕ | バロックと別系統でローテ可能 |
◎=高い効果 △=部分的な効果 ✕=ほぼ効果なし(目安)
最強の組み合わせパターン
1回目:コロマイト(IRAC 6)で成虫・若虫を速効駆除 → 2回目(7日後):バロックまたはダニ太郎(IRAC 10)で孵化した幼虫+残卵を叩く → 3回目(さらに7日後):ロハピ(気門封鎖)でトドメ+繰り返し防止。この3回セットが最も効率的な全世代対応パターンです。
抵抗性対策ローテーション|ハダニに「同じ薬」を使い続けない
ハダニは繁殖スピードが異常に速いため、同じ成分を連続して使うと抵抗性を持つ個体が急速に増殖します。系統を変えながら散布することで、抵抗性の発生を大きく遅らせることができます。
🔄 ハダニ完全駆除ローテーション(推奨パターン)
(物理的窒息)
(神経系)
(成長阻害・卵特化)
再スタート
| NG行動 | なぜダメか | 正しい行動 |
|---|---|---|
| コロマイトをずっと使い続ける | IRAC 6系への抵抗性が数世代で形成される | IRAC 6→10→気門封鎖とローテーション |
| 同じ商品で3回続ける | 成分が同じなら商品名が違っても同系統 | 成分名(IRACコード)で確認する |
| 1回散布で「完了」にする | 卵が残り、1週間後に再発する | 7〜10日間隔で最低3回 |
| 普通の殺虫剤でローテーション | ハダニに無効な成分でローテーションしても意味なし | 殺ダニ専用成分または気門封鎖系を選ぶ |
植物別ハダニ対策のポイント|観葉・塊根・多肉で違う注意点


葉が多く水洗いしやすい植物が多い。薬害も比較的出にくいため、幅広い薬剤が使いやすい。ただし大型株は葉裏への散布を忘れがち。
- モンステラ・ポトス:葉裏の広い面積に隠れる。霧吹き洗浄が有効
- ゴムの木・フィカス系:葉が厚くかすり症状が目立ちにくい。定期チェックを
- ドラセナ・ユッカ:葉の根元・新芽に集中しやすい
- 薬剤:気門封鎖系やコロマイトが使いやすい。葉水でこまめに湿度管理


葉が薄く繊細なものが多い。夏の高温乾燥期に特に発生しやすく、休眠期を抜けた直後は要注意。塊根部分への薬剤付着は基本的に問題なし。
- アデニウム:高温を好む植物のため夏の管理が肝心。葉裏の密集確認を
- グラキリス(パキポディウム):新芽に集中発生しやすい。成長期の要注意期
- コーデックス系全般:葉が薄く被害が進行すると落葉が早い
- 薬剤:コロマイト+ロハピのローテが安定。乳剤は希釈濃度に注意


葉がロゼット状や小さいため、ハダニが隠れやすい。薬害リスクがある種が多く、乳剤系の希釈倍率と真夏散布には特に注意が必要。
- エケベリア系:中心・葉腋に集中。高湿度散布後は通気確保を
- アガベ:棘の付け根・葉先に隠れる。ブラシで物理除去が有効
- ハオルチア:密集した葉の隙間に住み着く。水洗いしにくいため早期発見が命
- ⚠️薬剤注意:真夏の直射下散布で薬害が出やすい。早朝・夕方に散布
多肉植物・サボテンへの薬剤散布で特に注意すること
多肉植物は一般的な植物より薬害が出やすい種が多くあります。特に①真夏の高温時(35℃以上)の散布、②乳剤系の高濃度散布、③散布後の密閉された場所での管理は薬害リスクが高まります。初めて使う薬剤は1株に少量テスト散布してから全体に使用してください。気門封鎖系(ロハピ)が最も薬害リスクが低くおすすめです。
再発を防ぐ予防策6選|環境を整えるだけでハダニは激減する


滞った空気がハダニを育てる
ハダニは空気の動きを嫌います。葉裏の空気が停滞する環境は最高の住処になります。24時間サーキュレーターを回すだけで発生率が大きく下がります。


乾燥をなくす・物理的に洗い流す
夏場は週2〜3回、葉裏を中心に霧吹きするだけで定着率が大幅に下がります。さらに月1回シャワーで丸洗いすると初期個体を物理除去できます。


株同士の接触で一瞬で広がる
ハダニは歩いて移動します。株同士が接触していると1株の発生が即全株に広がります。最低5〜10cm以上の間隔を確保するだけで伝播リスクが激減します。


早期発見が最大の予防
水やりのついでに葉裏をサッと確認する習慣をつけるだけで、大発生前に止めることができます。スマホのカメラで撮影して確認するのがおすすめです。


使用回数制限なしで継続できる
ロハピ等の気門封鎖系は使用回数の制限がないため(要ラベル確認)、夏場に2週間に1回の頻度で予防散布できます。農薬成分なし・食品由来なので安心です。


購入後すぐに既存株と合流させない
新しく購入した株は1〜2週間別の場所で管理して様子を見ます。購入時点でハダニを持ち込んでいるケースが非常に多いため、検疫期間を設けることが予防の基本です。
よくある失敗と正しい対処法


| よくある失敗 | なぜ失敗するか | 正しい対処 |
|---|---|---|
| 「薬をかけたのに再発した」 | 1回だけ散布して終わらせた。卵が残って孵化した | 7〜10日間隔で最低3回。成分も変える |
| 「普通の殺虫剤をかけた」 | ハダニは昆虫ではないため殺虫剤がほぼ効かない | 殺ダニ専用成分または気門封鎖系を選ぶ |
| 「葉の表だけにスプレーした」 | ハダニは葉裏に住んでいる。表の散布は届かない | 葉裏に向けて丁寧に散布する |
| 「コロマイトをずっと使い続けた」 | 抵抗性が形成されて効かなくなった | 系統(IRACコード)を変えてローテーション |
| 「薬をかけたら葉が焼けた」 | 真夏の直射下・乳剤の高濃度散布・多肉植物への適用 | 早朝・夕方散布、希釈倍率の厳守、テスト散布 |
| 「1株だけ治療した」 | 隣の株にすでに移っており再感染した | 隔離後、周辺株もまとめて確認・処理 |
| 「白い糸が消えたから完了」 | 成虫が減っただけで卵が残っている可能性が高い | 白い紙テストで動く個体がいないことを3回確認 |
ハダニのよくある質問(FAQ)


最も簡単な見分け方は「白い紙テスト」です。怪しい葉を白い紙の上で叩くと、ハダニは0.3mm程度の小さな点として落ちてきて動きます。アブラムシは1mm以上あり緑や黒など色がはっきりしていて、群れで集まっているのが肉眼でも確認できます。またハダニは葉裏の細い糸で見分けることもできます。糸があればほぼ確実にハダニです。
同時散布(混用)は基本的におすすめしません。理由は①ラベルに記載されていない混用は農薬取締法上の問題があること、②効果が変わる可能性があること、③薬害リスクが上がること、の3点です。7〜10日の間隔を空けて交互に使う(ローテーション)のが正しい使い方です。ただし混用可否はラベルに記載があるものもあるため、使用前に必ずラベルを確認してください。
3つのポイントを守ることで薬害リスクを大きく下げられます。①時間帯を選ぶ:真夏は早朝または夕方(気温25℃以下)に散布する。②テスト散布をする:初めて使う薬剤は1株の一部に少量かけて3日様子を見る。③気門封鎖系を優先する:ロハピ(カプリン酸グリセリル)は食品添加物由来で薬害リスクが最も低く、多肉・サボテンに使いやすい成分です。乳剤系は希釈倍率を絶対に守ること。濃すぎると薬害が出やすくなります。
捨てる必要はありません。根が生きていれば回復できます。大発生の場合は①即隔離、②シャワーで糸・個体を物理除去、③殺ダニ剤を7〜10日間隔で3回散布、④環境改善(通気・湿度)を行うことで多くの場合回復します。白化した葉は元に戻りませんが、その後出てくる新葉は健全です。重症株ほど根の水分・養分の消耗が激しいため、処理後は少し水やりを増やして根を回復させることも大切です。
主な侵入経路は3つあります。①購入苗に付いてくる(最多)、②屋外管理から室内に持ち込む、③窓・換気口から飛来する(糸で風に乗る)。完全に防ぐことは難しいですが、①新株は1〜2週間検疫期間を設ける、②屋外管理株は室内に戻す前に葉裏チェックする、③風通しを良くして定着しにくい環境を作る、の3点で大幅に発生リスクを下げられます。
意味は非常に大きいです。「成虫に効かない」というのは「成虫を即死させられない」という意味ですが、IRAC 10系は成虫が産んだ卵を孵化させなくする働きがあります。つまり生き残った成虫が産卵しても次世代が生まれない状態を作れます。また幼虫への効果も高いため、卵→幼虫→若虫の世代を根絶するのに必須の系統です。成虫が多い場合はIRAC 6系(コロマイト)との組み合わせが最も効果的です。
まとめ|ハダニ攻略の5原則


ネオニコチノイド・ピレスロイド・有機リン系などの一般殺虫剤はハダニにほぼ無効です。殺ダニ専用成分(コロマイト・バロック・ダニ太郎)か気門封鎖系(ロハピ・マシン油)を選ぶことが大前提です。
卵に効かない薬剤がほとんどのため、1回の散布では終わりません。卵→孵化を考慮した7〜10日間隔での繰り返しが全世代駆除の必須条件です。
同じ成分の連用は抵抗性を生みます。気門封鎖系→IRAC 6系→IRAC 10系と系統を変えることで全世代対応+抵抗性対策を同時に行えます。
ハダニは葉の裏側に寄生しています。葉の表だけに散布しても効果は半減以下です。スプレーの角度を変えて、葉裏にしっかり薬剤が届くように散布しましょう。
通気(サーキュレーター)・葉水・鉢の間隔確保・週1回の葉裏チェックという環境づくりが最強の予防策です。気門封鎖系の定期予防散布(夏場2週間に1回)も組み合わせることで、ハダニを寄せ付けない環境を維持できます。
*ハダニ専用の薬剤を選ぶ前に、農薬全体の成分系統・製剤タイプ・抵抗性の考え方を整理しておくと選びやすくなります。農薬の基礎から知りたい方はこちらの記事をどうぞ⬇︎⬇︎










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