Soil Guide for Caudex & Succulents — 完全ガイド
塊根植物・多肉植物の用土完全ガイド
配合比・赤玉土/軽石/日向土の比較・市販用土まで徹底解説
塊根植物や多肉植物を元気に育てるうえで、日当たり・水やりと同じくらい大切なのが「用土」です。どんなに丁寧に水やりをしても、土が合っていなければ根腐れや生育不良は防げません。この記事では、赤玉土・鹿沼土・日向土・軽石など基本用土の違いから、硬質赤玉土の「三本線」と「二本線」の比較、植物のタイプ別の配合比、生産終了となったゴールデン粒状培養土の代わりになる市販用土、そして「鉢底石は本当に必要か?」という疑問まで、研究データも交えて日本最詳レベルで徹底解説します。
塊根植物・多肉植物に合う用土とは?良い土の3つの条件

塊根植物や多肉植物の多くは、マダガスカルや南アフリカなどの岩がちな乾燥地に自生しています。雨が降っても水がすぐに抜け、根のまわりに常に空気がある環境です。そのため、鉢植えで育てる場合も、観葉植物や草花用のふかふかした培養土ではなく、粒が崩れにくい鉱物質の用土を主体にした「水はけの良い土」が基本になります。
条件①
排水性
水がすぐに抜ける
条件②
通気性
根に酸素が届く
条件③
耐久性
粒が長く崩れない
補助条件
適度な保水性
乾きすぎない
補助条件
適度な保肥性
肥料を保持できる
補助条件
微塵が少ない
目詰まりしにくい
この3つの条件のなかで、意外と見落とされがちなのが「耐久性(粒の崩れにくさ)」です。塊根植物は成長がゆっくりで、2〜3年植え替えないことも珍しくありません。粒が崩れて細かな泥(微塵)になると、粒と粒の隙間が埋まって水はけと通気性が一気に悪くなり、根腐れの原因になります。最初の水はけの良さよりも、「その状態がどれだけ長く続くか」が用土選びのポイントです。
「多肉植物用」と書かれた土でも合わないことがある
市販の培養土には、ピートモスや腐葉土などの有機質が多く含まれているものもあります。有機質は保水性・保肥性を高める一方で、乾きにくく、時間とともに分解されて土が締まりやすくなります。室内管理や水やり頻度が多い環境では、原材料表示を確認し、鉱物質主体のものを選ぶか、軽石や日向土を足して水はけを調整するのがおすすめです。
塊根植物・多肉植物の基本用土の種類と特徴

配合の主役になる「基本用土」は、どれも火山由来の粒状の土です。それぞれ得意分野が異なるため、組み合わせることで「水はけが良いのに、乾きすぎない」バランスの取れた用土を作れます。まずは代表的な基本用土の特徴を押さえましょう。

赤玉土(あかだまつち)
関東ローム層の赤土を粒状にしたもの
保水性・排水性・保肥性のバランスが良く、配合の土台になる万能の基本用土。弱酸性。普通の赤玉土は水やりを重ねると崩れやすいため、塊根植物には硬質赤玉土がおすすめです。

鹿沼土(かぬまつち)
栃木県鹿沼市周辺の軽石が風化したもの
赤城山の噴出物由来の軽石土で、軽くて通気性に優れます。酸性が強めで、保肥力は弱め。乾くと白っぽく、湿ると黄色に色が変わるため、水やりのタイミングが分かりやすいのも特徴です。

日向土(ひゅうがつち)
宮崎県都城市周辺で採れる軽石(ボラ土)
霧島山系の火山由来の軽石で、別名「ボラ土」。硬くて崩れにくく、排水性・通気性に優れます。pHはほぼ中性。保水性・保肥性は低めなので、赤玉土と組み合わせて使うのが定番です。

軽石(パミス)
マグマが発泡して固まった多孔質の石
石なので年数が経ってもほとんど崩れないのが最大の強み。排水性・通気性を高める目的で配合します。日向土も軽石の一種ですが、産地・硬さ・粒の形によって性質に差があります。

富士砂(ふじすな)
富士山周辺の黒い火山砂礫
黒色で重みがあり、崩れにくい火山砂。排水性が高く、鉢に重さを出して株を安定させたいときや、黒い化粧砂(表土)としてもよく使われます。保水性・保肥性は低めです。

桐生砂(きりゅうずな)
群馬県桐生市周辺の火山砂礫
赤褐色の硬い砂礫で、通気性に優れ、崩れにくいのが特徴。山野草や盆栽で多く使われ、塊根植物の配合に混ぜて水はけを高める用途にも使えます。
赤玉土・鹿沼土・日向土・軽石の比較表

配合の中心になる4つの基本用土を、性質ごとに比較しました。「どれか1つが優れている」のではなく、赤玉土で保水・保肥を、日向土や軽石で排水・通気と耐久性を補うという組み合わせの考え方が大切です。
| 項目 | 硬質赤玉土 | 鹿沼土 | 日向土 | 軽石 |
|---|---|---|---|---|
| 写真 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
| 主な産地 | 茨城県・栃木県など(関東ローム層) | 栃木県鹿沼市周辺 | 宮崎県都城市周辺 | 各地(産地により性質が異なる) |
| 排水性 | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 通気性 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 保水性 | ◎ | ○ | △ | △ |
| 保肥性 | ○ | △ | ×〜△ | ×〜△ |
| 崩れにくさ | ○(普通の赤玉土は△) | △〜○ | ◎ | ◎ |
| pHの目安 | 弱酸性 | 酸性 | ほぼ中性 | ほぼ中性 |
| 重さ | 中程度 | 軽い | 中程度(鹿沼土よりやや重い) | 軽い〜中程度 |
| 主な役割 | 配合の土台・保水と保肥 | 軽さ・通気・水やりの目安 | 排水・通気・耐久性 | 排水・通気・耐久性 |
※◎・○・△・×は用土どうしを比べた相対的な目安です。同じ名前の用土でも、メーカー・産地・ロット・硬質処理の有無によって性質は変わります。
鹿沼土は「使いどころ」を選ぶ用土
鹿沼土は通気性に優れる一方で酸性が強く、保肥力は弱めです。また、硬質赤玉土や日向土に比べると、長く使ううちに崩れやすい傾向があります。塊根植物の配合では主役にせず、軽さを出したいときや、表面の色の変化で水やりのタイミングを判断したいときに1〜2割程度混ぜる使い方が扱いやすいです。
硬質赤玉土「三本線」と「二本線」の違い|普通の赤玉土とも比較

塊根植物の愛好家のあいだで定番になっているのが、袋に線の入った硬質赤玉土「三本線」と「二本線」です。どちらも普通の赤玉土より崩れにくいことで知られていますが、実はメーカーも製法も異なる、別々のブランドです。線の本数は品質の等級を表すものではないので、「三本線のほうが二本線より上位」というわけではありません。

プランティーションイワモトの登録商標
茨城県のプランティーションイワモトが製造・販売する赤玉土で、「三本線」は同社の登録商標です。地下30〜100cmから掘削した茨城県産の赤土を使い、焼成タイプは250℃で焼き上げたと公式サイトで説明されています。焼成によって粒が硬く締まり、微塵が少ないのが特徴です。
国内では自社の直営ネット店でのみ販売され、卸売は行っていないため、ホームセンターではほとんど見かけません。小粒は需要が多く、欠品することもあります。
製法:焼成(250℃)※非焼成の「硬質赤玉土」もラインナップ
産地:茨城県
入手:メーカー直営ネットショップ

茨城産の硬質赤玉土として複数の会社から販売
「二本線」は、袋に2本の線が入った茨城産の硬質赤玉土の呼び名です。三本線のように1社だけの商品ではなく、有限会社長浜商店(栃木県野木町・茨城工場)の「二本線硬質赤玉」のほか、大宮グリーンサービスの「二本線硬質赤玉土」など、複数の会社から販売されています。長浜商店は、製法を天日による自然乾燥と説明しています。
なかでも流通量が多いのが、大宮グリーンサービスの「二本線硬質赤玉土 小粒 5L」です。Amazonの園芸用土カテゴリーでも売れ筋上位に入っており、ホームセンターや大手通販で手に入りやすいのが魅力です(2026年10月調査)。
製法:長浜商店の製品は天日による自然乾燥(焼成ではない)
産地:茨城県(茨城赤玉土)
入手:ホームセンター・園芸店・盆栽店・通販で入手しやすい
三本線・二本線・普通の赤玉土の比較表
| 項目 | 三本線(焼成) | 二本線 | 普通の赤玉土 |
|---|---|---|---|
| 写真 | ![]() | ![]() | ![]() |
| 製造元 | プランティーションイワモト(茨城県) | 有限会社長浜商店、大宮グリーンサービスなど複数社 | 各メーカー |
| 製法 | 焼成(250℃) | 天日による自然乾燥 | 乾燥・ふるい分け |
| 崩れにくさ | ◎ | ◎ | △(水やりを重ねると崩れやすい) |
| 微塵の少なさ | ◎(微塵が少ないと説明) | ○ | △(製品によって差が大きい) |
| 粒サイズ | 大粒10〜18mm/中粒6〜10mm/小粒3〜6mm/極小粒2〜3mm/細粒1〜2mm | 大粒約11〜16mm/中粒約6〜11mm/小粒約2〜6.8mm/極小・小品盆栽用(長浜商店の公表値) | 製品による(大・中・小粒が一般的) |
| 価格の目安 | 14L(約10kg)1,350円(税込・送料別) | 5Lで500円台〜、14Lで2,000円前後〜(販売店・粒サイズにより異なる) | 比較的安価 |
| 入手しやすさ | △(直営ネット店のみ) | ◎(ホームセンター・盆栽店・通販など) | ◎(ホームセンターなど) |
| おすすめ用途 | 長く植え替えない大株・高価な株・寒冷地 | 塊根植物全般・盆栽 | 1〜2年で植え替える株・実生苗 |
※価格・粒サイズはメーカー公式サイト・販売店の掲載情報をもとにした目安です(2026年10月調査)。最新の価格・在庫は各販売ページでご確認ください。
「硬質」「焼成」に共通の基準はない
赤玉土の「硬質」「焼成」という表示には、業界共通の基準や公的な等級がありません。製法や硬さはメーカーごとに異なり、同じメーカーでもロットによって差が出ることがあります。愛好家のあいだでも「三本線と二本線の崩れにくさに大きな差は感じない」という声があり、どちらも普通の赤玉土より長持ちする硬質赤玉土と考えておくのが実用的です。入手しやすさや予算、必要な粒サイズで選んで問題ありません。
| こんな人に | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 大株・高価な現地株を長く植え替えずに育てたい | 三本線(焼成) | 焼成で粒が締まり微塵が少なく、長期間の植えっぱなしでも水はけを保ちやすい。 |
| 店舗や通販で手軽に買いたい | 二本線 | 大宮グリーンサービスの5L袋などがホームセンター・通販で手に入りやすく、硬質で崩れにくい。 |
| 実生苗や、1〜2年ごとに植え替える株 | 普通の赤玉土(ふるって使う) | 短期間なら崩れの影響は小さく、コストを抑えられる。微塵はふるいで抜いて使う。 |

三本線 焼成・硬質赤玉土 14L(プランティーションイワモト)
塊根植物やアガベを育てる趣味家はもちろん、販売者のあいだでも定番として使われている、超人気の焼成・硬質赤玉土です。楽天の公式ショップでは150件以上のレビューで★4.8台の高評価を集めています(2026年10月調査)。焼成で粒が硬く締まって崩れにくく、微塵も少ないので、植え替えの間隔が長い塊根植物にぴったりです。デメリットは価格の高さで、1袋1,350円に送料880円がかかり、直営のネット店でしか買えないため、ホームセンターの赤玉土に比べるとかなり割高になります。
送料を浮かせるなら「三本線」は3袋セットがお得!


三本線 焼成・硬質赤玉土 14L 3袋セット(プランティーションイワモト)


筆者も塊根植物やアガベの植え替え用に、送料を浮かせるため三本線を3袋セットで定期的に購入しています。写真は実際に届いた3袋です。配合の土台に使いやすい小粒を選んでいて、3袋あれば何度かの植え替えをまとめてまかなえます。硬質で崩れにくいので、開封後もしばらく保管して使えるのも助かっています。
| 買い方 | 価格+送料 | 1袋あたり |
|---|---|---|
| 単品を1袋ずつ3回注文 | (1,350円+880円)×3=6,690円 | 2,230円 |
| 3袋セットで1回注文 | 3,960円+880円=4,840円 | 約1,613円 |
三本線は塊根植物やアガベの趣味家・販売者のあいだで定番の焼成・硬質赤玉土ですが、1袋ごとに送料880円がかかるのが難点です。金銭と置き場所に余裕がある方は3袋セットでまとめて買うと、1袋あたりの負担をぐっと抑えられます。人気の小粒は欠品することもあるため、在庫があるうちに確保しておくと安心です(価格は2026年10月調査)。


大宮グリーンサービス 二本線硬質赤玉土 小粒 5L
二本線の硬質赤玉土のなかでも流通量が多く、Amazonの園芸用土カテゴリーで売れ筋上位に入っている定番品です(2026年10月調査)。5Lの袋なので、数鉢分の植え替えや配合の試しにも使いやすい容量です。使う前にふるいで微塵を抜いておくと、水はけの良い状態が長持ちします。
改良用土・資材の役割|ゼオライト・くん炭・バーミキュライトなど


基本用土に少量混ぜて、足りない性質を補うのが「改良用土・資材」です。入れすぎると水はけを損ねるものもあるため、全体の1〜2割程度を目安に使います。
| 資材 | 主な役割 | 塊根・多肉での使い方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ゼオライト | 保肥力を高める、水の腐敗を防ぐ | 配合の1割程度。根腐れ防止を目的に入れることが多い | 入れすぎると重くなり、乾きが遅くなることがある |
| くん炭(もみ殻くん炭) | 通気性の改善、酸性土のpH調整 | 配合の1割未満。鹿沼土など酸性の用土を多く使うときに | アルカリ性なので入れすぎない。軽く、水やりで浮きやすい |
| バーミキュライト | 保水性・保肥性を高める | 実生苗・発根管理など、乾きすぎを防ぎたいときに | 柔らかく潰れやすい。成株の配合に多く入れると乾きにくくなる |
| パーライト | 排水性・通気性を高める、軽量化 | 大鉢を軽くしたいときに少量 | 非常に軽く、水やりで表面に浮きやすい |
| 腐葉土・ピートモス・ココピート | 保水性・保肥性を高める(有機質) | 成長を優先したい夏型の株に1割程度まで | 乾きにくく、分解されると土が締まる。コバエやカビの原因にも |
| 緩効性肥料(元肥) | 生育期の栄養補給 | 植え替え時に少量を混ぜる | 休眠期に入る直前の植え替えでは控える。製品ラベルの用量を守る |
有機質は「ゼロ」でなくてもいい
塊根植物の用土は無機質(鉱物)だけで作るのが基本ですが、成長期にしっかり育てたい夏型の株では、腐葉土やココピートなどの有機質を1割程度混ぜて保水・保肥を補う栽培者もいます。ただし、室内管理や風通しが悪い環境では乾きにくくなるため、まずは無機質主体で始め、株の様子を見ながら調整するのが安全です。
塊根植物・多肉植物のタイプ別おすすめ配合比


ここでは、栽培者のあいだで広く使われている配合をもとに、植物のタイプ・管理環境別の配合比の目安をまとめました。配合は体積比(同じカップで量った比率)です。置き場所・鉢の素材・水やりの頻度によって最適な配合は変わるため、まずは目安の配合から始めて、乾き方を見ながら微調整してください。
① 基本ブレンド(迷ったらこれ)
対象:塊根植物・多肉植物全般/屋外〜明るい室内
硬質赤玉土で保水・保肥を確保しつつ、日向土と軽石で排水性と耐久性を高めたバランス型。ゼオライトは根腐れ防止と保肥の補助に。
② 過湿対策ブレンド
対象:室内管理・乾きにくい環境・現地株・蒸れに弱い種類
軽石と日向土を主体にした、乾きの早さを優先した配合。風通しが確保しにくい室内や、夏の休眠中に用土が湿り続けるのを防ぎたい冬型の株にも。
③ 成長重視ブレンド
対象:グラキリス・アデニウムなど夏型で水を好む株の生育期
保水・保肥をやや高めた配合。屋外の日当たりと風通しの良い場所で、生育期にしっかり水を与えて太らせたい株向け。有機質は腐葉土やココピートなどを少量。
④ 実生・発根管理ブレンド
対象:種まき・実生苗・ベアルート株の発根管理
保水性と通気性のバランスが良く、まだ根の弱い実生苗に向く配合。発根管理では、清潔な新しい用土を使うことが大切です。
植物タイプ別の配合早見表
| 植物タイプ | 代表的な種類 | おすすめ配合の目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 夏型の塊根植物 | パキポディウム(グラキリスなど)、アデニウム、オペルクリカリア(パキプス) | ①基本ブレンド/生育重視なら③ | 生育期にたっぷり水を与えて太らせる。成長が早い種類ほど保水をやや高めに。 |
| 冬型の塊根植物 | 亀甲竜、オトンナ、チレコドン | ②過湿対策ブレンド | 夏の休眠期に用土が湿ったままにならないよう、乾きの早さを優先する。 |
| 球形・蒸れに弱い種類 | ユーフォルビア(オベサ・ガムケンシスなど)、ケラリア・ピグマエア | ②過湿対策ブレンド | 株元が蒸れないよう、表土に軽石や富士砂を敷くのも効果的。 |
| やや水を好む多肉植物 | ハオルチア、ドルステニア | ①基本ブレンドをベースに赤玉土をやや多めに | 乾かしすぎると根が傷みやすい種類は、保水性を少し高める。 |
| 実生苗・発根管理中の株 | 種まき直後の苗、ベアルート株 | ④実生・発根管理ブレンド(または細粒の基本ブレンド) | 清潔な新しい用土を使い、肥料は控える。 |
※配合はあくまで目安です。同じ種類でも、鉢の素材(素焼き・プラ・釉薬鉢)や置き場所の風通しで乾き方は大きく変わります。
配合を調整する目安は「乾くまでの日数」
生育期にたっぷり水を与えてから、鉢の中まで乾くのにかかる日数がおおむね3〜5日程度になるように調整すると、多くの塊根植物で管理しやすくなります。1週間以上乾かない場合は軽石・日向土を増やし、1〜2日で乾ききってしまう場合は赤玉土を増やすか、粒を一段小さくして保水性を上げましょう。鉢の重さや、竹串を挿して湿り具合を確認するのも有効です。
鉢サイズ別の粒の大きさの選び方


用土の性質は、素材だけでなく粒の大きさでも大きく変わります。粒が大きいほど隙間が増えて水はけ・通気性が高まり、粒が小さいほど保水性が高まります。小さな鉢に大粒を使うと根が張りにくく、大きな鉢に細粒ばかりを使うと乾きにくくなるため、鉢のサイズに合わせて粒を選びましょう。
| 粒の呼び方 | サイズの目安 | 向いている鉢・用途 |
|---|---|---|
| 細粒 | 約1〜2mm | 種まき・実生苗、2号鉢以下の小さな鉢、化粧砂 |
| 極小粒 | 約2〜3mm | 2〜3号鉢、小さめの多肉植物、実生から鉢上げした苗 |
| 小粒 | 約3〜6mm | 3〜6号鉢。塊根植物の配合で最もよく使うサイズ |
| 中粒 | 約6〜10mm | 6号以上の大鉢に小粒と混ぜて、または大鉢の底部分に |
| 大粒 | 約10mm以上 | 大鉢の底部分、鉢底石の代わり |
※サイズの区分はメーカーによって異なります。表の数値は三本線(プランティーションイワモト)の公表区分をもとにした目安です。
配合する用土は粒の大きさをそろえる
赤玉土は小粒なのに、日向土は細粒…というように粒の大きさがバラバラだと、細かい粒が大きい粒の隙間に入り込み、せっかくの水はけが悪くなってしまいます。配合する用土はできるだけ同じ粒サイズにそろえるのが、水はけの良い用土を作るコツです。
塊根植物・多肉植物におすすめの市販用土|ゴールデン粒状培養土の代わりは?


「自分で配合するのは大変」「少しの量だけ欲しい」という方には、市販の用土も便利です。ここでは、かつて塊根植物の愛好家に定番として使われていたゴールデン粒状培養土の現状と、その代わりになる市販用土を紹介します。
ゴールデン粒状培養土は生産終了に
アイリスオーヤマの「ゴールデン粒状培養土」は、完熟した草炭(ピート)と有機肥料などを粒状にして熱処理した黒い「粒土(ペレット)」を主体に、軽石やバーミキュライト、パーライトなどを配合した培養土です。団粒構造で保水・通気・排水性に優れるうえ、乾くと灰色、湿ると黒色に変わって水やりのタイミングが分かりやすく、塊根植物やアガベの用土としても高い人気がありました。
| ラインナップ | 主な原材料(メーカー表示) | 販売状況(2026年10月確認) |
|---|---|---|
| サボテン・多肉植物用 | 粒土に小粒の軽石を配合 | 生産終了現在のメーカー公式サイトに掲載なし |
| 観葉植物用(5L・14L) | 粒土、軽石、バーミキュライト、パーライト、緩効性肥料 | 生産終了メーカー公式サイトに表示 |
| 野菜用(14L・25L) | 粒土、バーミキュライト、緩効性肥料 | 生産終了メーカー公式サイトに表示 |
| 花・野菜用(5L・10L・14L・25L) | 粒土、バーミキュライト、パーライト、軽石 | 生産終了5L・14Lに生産終了表示。大手通販でも全容量が取扱い終了 |
※販売状況はアイリスオーヤマ公式サイトおよび大手通販サイトの表示をもとにしています(2026年10月時点)。店頭在庫や流通在庫が残っている場合があります。
流通在庫を買うときの注意点
生産終了後も、フリマアプリや一部の店舗で在庫品が出回っていることがあります。ただし、保管状態によっては袋の中で湿気を含んでいたり、緩効性肥料入りのタイプでは製造からの年数が経っていたりする可能性があります。購入する場合は、品番(観葉植物用・花野菜用など)と保管状態をよく確認してください。
塊根植物・アガベの趣味家が「ペレットだけ」を使っていた理由
塊根植物やアガベを育てる趣味家のあいだでは、ゴールデン粒状培養土を袋のまま使うのではなく、ふるいでバーミキュライトやパーライトを取り除き、黒いペレットだけを取り出して配合に混ぜる使い方が定番でした。その理由は、ペレットが一般的な培養土にはない、次のような性質を持っていたからです。
| 項目 | 一般的な培養土 | ゴールデン粒状培養土のペレット | 赤玉土・日向土などの無機質用土 |
|---|---|---|---|
| 中身 | ピートモス・腐葉土などの有機質が多い | 完熟の草炭(ピート)と有機肥料などを粒状にして熱処理したもの | 火山由来の鉱物の粒 |
| 水に濡れたとき | 水を吸ってぬちゃっと湿り、締まりやすい | 粒の形を保ち、ぬちゃっとしにくい | 粒の形を保つ |
| 水はけ | △(乾きにくい) | ○ | ◎ |
| 崩れにくさ | △(使ううちに締まって固まりやすい) | ○(凍結と解凍を繰り返す試験でも粒状を保ったとメーカーが紹介) | ◎(硬質のもの) |
| 保肥力・栄養 | ◎ | ○(培養土らしい養分の保ちやすさ) | △(肥料分はほとんどない) |
| 塊根植物・アガベでの使い方 | 少量にとどめるか、使わない | 配合の一部に混ぜて、保肥と生育の底上げに | 配合の土台 |
※ペレットの原料・崩れにくさはアイリスオーヤマが公開している紹介記事をもとにしています。配合比は公開されていません。水はけ・保肥力の評価は、塊根植物・アガベの栽培者のあいだで知られている使用感をもとにした目安です。
ペレットは「培養土の良さ」と「粒の水はけ」を両立した素材だった
一般的な培養土は、ピートモスや腐葉土などの有機質が水を吸い込みすぎて、濡れるとぬちゃっと締まり、水はけが悪くなりがちです。一方、無機質の用土だけでは肥料分がほとんどなく、生育が伸び悩むこともあります。ゴールデン粒状培養土のペレットは、培養土のように養分を保ちながら、粒状で水を過度に抱え込まず水はけも良いという、両方の良いところを持っていました。そのため、赤玉土や日向土・軽石を主体にした配合に少し混ぜるだけで、水はけを落とさずに生育を底上げできる、塊根植物やアガベにとって理想的な素材として重宝されていたのです。
ペレットは「入れすぎない」のがコツ
ペレットは水はけが良い一方で、保水力・保肥力もかなり強い素材です。栽培者のあいだでも「配合が多すぎて土がじっとりした」「乾燥を好む株には合わなかった」という声があります。特に締まった株姿に作り込みたいアガベや、過湿に弱い塊根植物では、少量から試し、乾き方を見ながら量を調整するのが安全です。


湿っているとバーミキュライトや微塵がペレットに張り付いて分けにくいため、新聞紙などに広げてよく乾かします。
ペレットより一回り大きい目のふるいでふるうと、ペレットは下に落ち、粒の大きい軽石がふるいの上に残ります。
次に、ペレットより目の細かいふるいでふるい、下に落ちたバーミキュライト・パーライトや細かい粉を取り除きます。ふるいの上に残った円柱状の粒がペレットです(乾くと灰色、濡れると黒っぽくなります)。
取り出したペレットは、硬質赤玉土・日向土・軽石などを主体にした配合に混ぜて使います。ペレットだけで植えるのではなく、無機質の用土と組み合わせるのが基本です。
▲ 筆者がゴールデン粒状培養土をふるい分けた様子。左がペレット、ふるいの中が軽石、右がバーミキュライトなどの細かい粒


ペレット(粒土)
趣味家が残して使う主役
円柱状に固めて熱処理した粒で、乾くと灰色、濡れると黒っぽくなります。養分を保ちながら粒の形を保つので、塊根植物やアガベの配合に混ぜて使います。


軽石
配合の水はけ用に再利用できる
表面に細かい穴がある多孔質の石で、ペレットより粒が大きめです。崩れにくく水はけも良いので、捨てずに塊根植物の配合用の軽石として活用できます。


バーミキュライト・パーライトなど
塊根植物の配合からは外す
茶色い薄片状のバーミキュライトと白いパーライトなどの細かい粒です。保水性が高く乾きにくくなるため、塊根植物やアガベの配合には使わず、草花や野菜用の土に回すのがおすすめです。
ゴールデン粒状培養土(ペレット)の代わりになる市販品
ペレットの代わりに求められるのは、「有機質や養分を含みながら、粒状で濡れてもぬちゃっとしない」という性質です。2026年10月時点で入手でき、この役割を担える市販品を比較しました。なお、商品名に「ゴールデン粒状培養土配合」と入ったアイリスオーヤマの「花・野菜の培養土 ゴールデン粒状培養土配合」は代わりにならないため、表のあとで理由を説明します。
| 項目 | エクサゴノ 超硬質有機バイオ肥料 ペレット | エクサゴノ GREAT MIX CULTURE SOIL | プロトリーフ 粒状かる~い培養土 |
|---|---|---|---|
| 写真 | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
| 中身 | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
| 種類 | 有機質肥料(ペレット状) | 培養土(オールインワン) | 培養土(粒状原料のみ) |
| 主な原材料 | 高温好気性発酵させた有機質バイオ肥料を乾燥・ペレット化(窒素2.5・りん酸4.5・加里0.7) | 超硬質赤玉土、超硬質鹿沼土、超硬質日向土、ゼオライト、超硬質富士砂、無菌バーミキュライト、有機バイオ肥料 | パーライト、鹿沼土、赤玉土、軽石など+速効性・緩効性化成肥料(たい肥不使用) |
| ペレットの役割の補い方 | 有機質と養分を肥料として補う(土の量としては使わない) | 有機バイオ肥料入りの硬質培養土として、そのまま使える | 粒状で栄養入り。有機質は含まない |
| 注意点 | 肥料なので、製品の目安量を守って施肥する | 価格は高め | 有機質の「ほどよい保水・保肥」は得られない |
| 入手しやすさ | 公式ネットショップ | 公式ネットショップなど | ホームセンター・通販(5L・12L) |
| おすすめ | ◎ 有機質と養分だけ補いたい | ○ 配合済みの土を使いたい | ○ 室内で虫を避けたい |
※原材料・仕様は各メーカーの公式サイト・公式ショップの掲載情報をもとにしています(2026年10月調査)。
「花・野菜の培養土 ゴールデン粒状培養土配合」はペレットの代わりになりません
商品名に「ゴールデン粒状培養土配合」とあるため、ふるえばペレットを取り出して使えそうに見えます。しかし、筆者が実際に購入して中身を確認したところ、ペレットはごくわずかで、ほとんどが黒っぽい細かな土でした。ふるっても配合に使えるほどの量は集まらないため、ゴールデン粒状培養土の代わりとしてはおすすめできません。


出典:アイリスオーヤマ「花・野菜の培養土 ゴールデン粒状培養土配合」販売ページ


販売ページには、ペレットがたくさん写った画像が使われています。これは配合原料のゴールデン粒状培養土を写したものとみられ、袋の中身全体がこの状態というわけではありません。画像だけで判断して購入しないよう注意してください。花や野菜を育てる一般的な培養土としては問題なく使える製品ですが、塊根植物やアガベの配合に使うペレットを目的に選ぶ製品ではありません。


エクサゴノ 超硬質有機バイオ肥料 ペレット
高温好気性発酵で作った有機質バイオ肥料を、長期間乾燥させてペレット状に仕上げた肥料です。観葉植物・多肉植物・コーデックス・アガベなどに使えるとされています。ゴールデン粒状培養土のペレットのように土の量として混ぜるものではなく、肥料として目安量を配合や表土に施す使い方になります。


エクサゴノ GREAT MIX CULTURE SOIL
茨城県産の超硬質赤玉土を中心に、鹿沼土・日向土・富士砂・ゼオライトなどを配合したオールインワンの培養土。価格は高めですが、大切な株や植え替え頻度を減らしたい株の用土として、ゴールデン粒状培養土の代わりを探している方の有力候補です。
そのまま使える塊根植物・多肉植物向けの市販用土
自分で配合せず、袋からそのまま使いたい方には、塊根植物・多肉植物向けとして販売されている次の用土も便利です。
| 項目 | 花ごころ 塊根植物の土 | 花ごころ さぼてん多肉植物の土 | プロトリーフ 室内向け観葉・多肉の土 |
|---|---|---|---|
| 写真 | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
| 主な原材料 | 軽石、赤玉土、鹿沼土、ココナッツファイバー(燻炭・医王石を配合) | 軽石ベース(ゼオライト配合) | 粒状タイプ(速効性・緩効性の肥料を配合) |
| 特徴 | 塊根植物専用。微塵抜きで排水性に優れる | 軽石ベースで排水性重視 | pH調整済み。表面の色の変化で水やりの目安が分かる |
| 入手しやすさ | ホームセンター・通販 | ホームセンター・通販 | ホームセンター・ドラッグストア・通販 |
| おすすめ | ◎ 少量・手軽に | ○ 水はけ最優先に | ○ 室内の観葉と兼用に |
※原材料・仕様は各メーカー・販売店の掲載情報をもとにしています(2026年10月調査)。リニューアルで変わる場合があるため、購入時は製品表示をご確認ください。


花ごころ 塊根植物の土
軽石・赤玉土・鹿沼土にココナッツファイバーを配合し、燻炭や医王石も加えた塊根植物専用の土。2Lの小袋でホームセンターでも手に入りやすく、1〜2鉢の植え替えに使いやすい容量です。
ペレットが手に入らないときの配合の考え方
「ゴールデン粒状培養土配合」の培養土からペレットを取り出すのが手間な場合や、手に入らない場合は、ペレットが担っていた役割をそれぞれ別の素材で補うのが近道です。このとき、有機質を足そうとして腐葉土やピートモスを多く混ぜると、ペレットを使っていた意味がなくなり、濡れるとぬちゃっと締まる原因になるので注意しましょう。
| ペレットが担っていた役割 | 代わりになる素材 | ポイント |
|---|---|---|
| 養分を保つ(保肥力) | ゼオライト | 配合の1割程度。粒状なので水はけを損ねにくい |
| 生育に必要な栄養 | 緩効性肥料(元肥) | 植え替え時に製品ラベルの規定量を混ぜる。休眠期の直前は控える |
| ほどよい保水 | 硬質赤玉土(小粒) | 崩れにくい硬質タイプを選び、配合の土台にする |
| 粒としての水はけ | 日向土・軽石(小粒) | 排水性と通気性を確保し、長期間崩れない |
| 粒状の有機質 | 有機質のペレット肥料 | 土の量としてではなく、肥料として目安量を混ぜる |
| 素材 | 割合の目安 | 役割 |
|---|---|---|
| 硬質赤玉土(小粒) | 4 | 配合の土台。ほどよい保水と保肥 |
| 日向土(小粒)または軽石(小粒) | 3 | 排水性・通気性と、長期間の耐久性 |
| ふるい出したペレット | 2 | 手元にある場合。ない場合は硬質赤玉土と日向土を1ずつ増やす |
| ゼオライト | 1 | 保肥と根腐れ防止の補助 |
| 緩効性肥料または有機質のペレット肥料 | 製品ラベルの規定量 | 元肥として生育期の栄養を補う |
※ゴールデン粒状培養土のペレットそのものの原料や配合は公開されていません。上記は、ペレットを混ぜた配合と同じ方向性を目指した当サイトの配合例です。置き場所や水やりの頻度に合わせて調整してください。



ペレットの代わりに使える肥料の種類や与え方、液肥の希釈倍率は、こちらの肥料ガイドで詳しく解説しています⬇︎⬇︎


鉢底石は必要?不要?研究データから見る正しい使い方


「鉢底石を入れると水はけが良くなる」とよく言われますが、実は近年、「鉢底石は必ずしも水はけを良くしない」という考え方が広まっています。結論から言うと、塊根植物のように粒の粗い無機質の用土を使う場合、鉢底石の効果はほとんどなく、鉢の種類によっては不要です。その理由を順番に解説します。
鉢底石で起こる「宙水(ちゅうすい)」とは


鉢の中では、土の粒の小さな隙間が毛細管現象で水を引きつけています。細かい用土の下に粗い鉢底石の層があると、水は細かい隙間から粗い隙間へすぐには移動できず、境目の上に水がたまった層ができます。これが「宙水(英語ではperched water table)」と呼ばれる現象です。
つまり鉢底石を敷くと、湿った層が鉢の底から鉢底石の上へと持ち上がるだけで、鉢全体の水はけが良くなるわけではない、というのがこの考え方です。さらに鉢底石の分だけ用土の量が減り、根が伸びられる空間も小さくなります。
2025年の研究でわかったこと
2025年に学術誌『PLOS One』に掲載された研究「Effect of drainage layers on water retention of potting media in containers(鉢植え用培地の保水性に対する排水層の影響)」では、3種類の用土と4種類の排水層(砂利・LECA・細粒LECA・砂)を、厚さ30mmと60mmで比較しました。その結果は次のとおりです。
| 用土の種類 | 排水層の影響 |
|---|---|
| 有機質主体の用土 (ココピート+バーミキュライト、ココピート+パーライト+バークなど) | ほとんどの排水層で、鉢全体に残る水の量が減った(水はけは良くなる方向) |
| ローム(土)系の用土 | ほとんどの排水層で大きな影響はなかった |
| 最も広く効果があった排水層 | 粗い砂の層(厚さ60mm) |
出典:Rowe, A. (2025) PLOS One 20(2): e0318716。この研究は鉢内の保水量を測定したもので、植物の生育への影響は調べていません。
この研究では、排水層が「水はけを悪くする」という理論上の予測とは異なり、保水量を減らすか、影響がないことが多いという結果になりました。一方で、排水層が保水量をはっきり増やすこと(水はけを悪くすること)もほとんどありませんでした。ここから言えるのは、鉢底石は「入れれば劇的に水はけが良くなる」ものでも、「入れると根腐れする」ものでもなく、用土の種類によって効果が変わるということです。
塊根植物の用土では、そもそも差が出にくい
赤玉土・日向土・軽石を主体にした塊根植物の用土は、もともと粒が粗く水はけが良いため、鉢底石との粒の差が小さく、宙水もできにくくなります。水はけの良さは「鉢底石」ではなく「用土そのもの」で確保する、というのが塊根植物の用土の基本的な考え方です。
鉢底石が必要な鉢・不要な鉢


スリット鉢・プレステラ・浅鉢など
側面から底にかけて大きなスリットがある鉢は、鉢底石がなくても水と空気がしっかり抜けます。鉢底石を入れると、かえって根がスリットへ伸びる道をふさいでしまうことがあります。
浅い鉢や小さな鉢では、鉢底石の分だけ根が使える用土の深さが減るため、入れない方が根を張らせやすくなります。
スリット鉢(プレステラなど)
3号以下の小さな鉢・浅鉢
粒の粗い無機質用土を使う場合


穴が小さい陶器鉢・大鉢など
鉢底の穴が1つだけで小さい陶器鉢では、用土の粒が穴をふさいで水が抜けにくくなることがあります。穴の上に大粒の軽石を数個置くだけでも、目詰まりの防止に効果的です。
直径30cmを超えるような大鉢では、鉢を軽くする目的でも鉢底石が役立ちます。入れる量は鉢の深さの1〜2割程度にとどめましょう。
鉢底穴が小さい・1つだけの陶器鉢
直径30cm以上の大鉢(軽量化)
有機質の多い培養土を使う場合
| 鉢・状況 | 鉢底石 | 代わりにおすすめの方法 |
|---|---|---|
| スリット鉢・プレステラ | 不要 | 鉢底ネットも基本的に不要。用土の流出が気になる場合のみ使う |
| 小さな鉢・浅鉢 | 不要 | 鉢底ネットだけを敷き、その上から用土を入れる |
| 穴が小さい陶器鉢 | 少量 | 鉢底ネット+穴の上に大粒の軽石を数個置き、目詰まりを防ぐ |
| 直径30cm以上の大鉢 | 少量 | 鉢の深さの1〜2割まで。中粒の日向土や軽石を底に敷いても良い |
| 受け皿を使う室内管理 | 状況次第 | 受け皿にたまった水は必ず捨てる。鉢底石より用土の水はけを優先する |
鉢底石の代わりに「大粒の用土」を使う方法
鉢底石の代わりに、配合に使っている日向土や軽石の中粒〜大粒を鉢底に薄く敷く方法もおすすめです。上の用土と同じ素材を使うので、粒の大きさの段差が小さく宙水ができにくいうえ、植え替え時に用土とまとめて扱えて分別の手間も省けます。



鉢の素材や産地による通気性の違い、釉薬の有無による乾き方の差など、塊根植物に合う陶器鉢の選び方をまとめたこちらの記事もあわせてご覧ください⬇︎⬇︎


用土の微塵抜きのやり方|水はけを長持ちさせるひと手間
袋から出したばかりの用土にも、輸送中に粒同士がこすれてできた細かい粉(微塵)が含まれています。微塵は水やりのたびに鉢の底へ流れて隙間を埋め、水はけを悪くする原因になります。配合する前にふるいで微塵を抜いておくだけで、用土の水はけが長持ちします。


湿った用土は微塵が粒に張り付いて落ちにくいため、乾いた状態でふるいます。袋の中が湿っている場合は、新聞紙などに広げて乾かしておきましょう。
小粒(3〜6mm)を使う場合は、2〜3mm程度の目のふるいでふるい、下に落ちた細かい粉を取り除きます。屋外で、マスクを着けて作業すると安心です。
それぞれの用土をふるったら、配合比どおりに量って均一になるまでよく混ぜます。バケツや大きめのトレーを使うと作業しやすくなります。
植え付け後に水を与えるタイミングで、鉢底から出る水が透明になるまでたっぷり流すと、残った微塵も洗い流せます。根を整理した直後の株は、数日あけてから水を通しましょう。
ふるった細かい粒も捨てずに活用できる
ふるい落とした1〜2mm程度の細かい粒は、種まき用の土や、さし木・葉挿しの床、化粧砂の下地などに再利用できます。完全な粉状のものだけを取り除けば、無駄なく使い切れます。
用土の劣化サインと植え替えの目安・再利用の方法


どんなに崩れにくい用土でも、年数とともに少しずつ劣化していきます。次のようなサインが見られたら、生育期の植え替えを検討しましょう。
| 劣化のサイン | 考えられる状態 | 対処法 |
|---|---|---|
| 水やり後、水が表面にたまってなかなか染み込まない | 粒が崩れて微塵が増え、隙間が埋まっている | 生育期に新しい用土で植え替える |
| 以前より乾くまでの日数が大幅に長くなった | 用土の劣化、または根詰まり | 鉢から抜いて根の状態を確認し、植え替える |
| 鉢底の穴から根が出ている | 根詰まり | ひとまわり大きな鉢へ植え替える |
| 表土に白い結晶やコケ・カビが発生する | 肥料成分の蓄積、または常に湿りがち | 表土を入れ替え、水やりの頻度と置き場所の風通しを見直す |
使い終わった用土は、そのまま次の植え替えに使うのは避けましょう。古い用土には崩れた微塵や古い根、病原菌、害虫の卵などが残っていることがあります。再利用する場合は、次の手順で処理してから使います。


用土を広げて古い根や枯れ葉などを取り除き、天日でしっかり乾かします。
崩れて細かくなった粒をふるいで取り除き、形の残っている粒だけを残します。
黒いビニール袋に入れて夏の直射日光に当てる、熱湯をかけるなどの方法で消毒します。病気や害虫が出た株に使っていた用土は、再利用せずに処分するのが安全です。
再生した用土だけで使うのではなく、新しい用土と混ぜて使うと品質が安定します。発根管理中の株や実生苗には、新しい用土を使いましょう。


オルトランDX粒剤
土に施用し、根から吸収された成分を植物体へ行き渡らせる粒剤タイプです。植え替え時に用土へ混ぜ込んでおくと、根に寄生するネジラミやカイガラムシなどの予防管理として使えます。使用する際は、必ず製品ラベルで適用作物と使用方法を確認してください。



用土の劣化や水のやりすぎで塊根が柔らかくなってしまった場合は、原因の切り分けと復活手順を詳しくまとめたこちらの記事もあわせてご覧ください⬇︎⬇︎





用土を新しくするときの植え替えの時期や手順、根を崩さない「すっぽり鉢増し」から根洗いまでの方法の選び方、植え替え後の水やりは、こちらの記事で詳しく解説しています⬇︎⬇︎


塊根植物・多肉植物の用土でよくある質問(FAQ)


赤玉土だけでも育てることはできますが、普通の赤玉土は水やりを重ねると崩れて水はけが悪くなりやすいため、長期間の栽培には向きません。硬質赤玉土を使うか、日向土や軽石を3〜5割ほど混ぜて排水性と耐久性を補うのがおすすめです。
三本線はプランティーションイワモトの登録商標で、二本線は有限会社長浜商店や大宮グリーンサービスなど複数の会社から販売されている茨城産の硬質赤玉土です。線の本数は品質の等級ではありません。三本線の焼成タイプは250℃で焼成され微塵が少ないのが特徴で、二本線はホームセンターや通販で入手しやすいのが魅力です。どちらも普通の赤玉土より崩れにくいので、入手しやすさや予算、必要な粒サイズで選んで問題ありません。
どちらも火山由来の軽石系の用土ですが、日向土は宮崎県都城市周辺で採れる硬い軽石で、pHはほぼ中性、崩れにくいのが特徴です。鹿沼土は栃木県鹿沼市周辺で採れる軽石土で、軽く通気性に優れますが酸性が強めで、日向土より崩れやすい傾向があります。塊根植物の配合で排水性と耐久性を高めたいなら日向土が使いやすいです。
アイリスオーヤマのゴールデン粒状培養土は、メーカー公式サイトで観葉植物用・野菜用・花野菜用の各品番に生産終了の表示があり、大手通販でも取扱い終了となっています(2026年10月時点)。名前の似た「花・野菜の培養土 ゴールデン粒状培養土配合」は、ペレットがごくわずかしか入っていないため代わりにはなりません。代わりには、有機質のペレット肥料や緩効性肥料とゼオライトで養分と保肥を補う方法がおすすめです。
赤玉土・日向土・軽石などの粒の粗い用土を使う塊根植物では、鉢底石の効果は小さく、スリット鉢や小さな鉢では不要です。ただし、鉢底の穴が小さい陶器鉢では穴の目詰まり防止に、大鉢では軽量化のために、鉢の深さの1〜2割程度まで入れると役立ちます。
赤玉土や日向土などの基本用土には肥料分がほとんど含まれていないため、生育期に植え替える場合は緩効性肥料を元肥として少量混ぜるのがおすすめです。ただし、発根管理中の株や実生直後の苗、休眠期に入る直前の植え替えでは肥料を控えてください。
普通の赤玉土を使っている場合は1〜2年、硬質赤玉土や日向土・軽石主体の用土なら2〜3年程度がひとつの目安です。年数よりも、水がなかなか染み込まない、乾くまでの日数が大幅に長くなったといった劣化のサインを見て判断しましょう。
室内は屋外に比べて風が弱く、用土が乾きにくくなります。軽石や日向土の割合を増やして乾きやすくするのがおすすめです。あわせてサーキュレーターで空気を動かすと、用土の乾きが安定し、根腐れのリスクを減らせます。
まとめ


塊根植物・多肉植物の用土選びで大切なのは、「排水性・通気性・耐久性」の3つを、鉱物質の粒で長く保つことです。配合の土台には崩れにくい硬質赤玉土(三本線・二本線など)を、排水性と耐久性の強化には日向土や軽石を使い、植物のタイプや置き場所に合わせて比率を調整しましょう。生産終了となったゴールデン粒状培養土のペレットは、有機質のペレット肥料や粒状の培養土、ゼオライトで役割を補いましょう(名前の似た「花・野菜の培養土 ゴールデン粒状培養土配合」は代わりになりません)。鉢底石は「入れれば安心」ではなく、鉢の種類に合わせて必要なときだけ少量使うのが正解です。用土を見直すだけで、根腐れのリスクはぐっと減り、株の調子も安定していきます。



用土の準備ができたら、育てたい塊根植物の育て方もあわせてチェックしてみてください。人気種の図鑑や、グラキリス・パキプス・亀甲竜などの個別ガイドで、種類ごとの水やりや置き場所を詳しく解説しています⬇︎⬇︎






























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