Winter Greenhouse & Heater — 完全ガイド
冬の簡易温室・植物用ヒーター・保温グッズの選び方
失敗しない温度管理・電気代・安全対策まで完全解説
塊根植物・多肉植物・観葉植物の冬越しで、最も多い失敗は「寒さで株を傷めること」です。とはいえ、温室やヒーターは種類が多く、何を選べばいいのか迷ってしまいますよね。この記事では、ビニール温室・ラック専用カバー・ガラスキャビネットといった簡易温室の選び方から、温室用パネルヒーター・ヒートマット・サーモスタットの違い、プチプチや窓用断熱シートなどの保温グッズ、ワット数と温室サイズの目安、電気代のシミュレーション、火災を防ぐ安全対策までを、表と画像でわかりやすくまとめました。予算や置き場所に合わせた「おすすめの組み合わせ」も紹介します。
| 室内の窓辺で数鉢 | 保温グッズ(窓用断熱シート・プチプチ)+温湿度計で十分なことが多い。予算:数千円〜 |
|---|---|
| 室内の植物棚でまとめて | ラックに温室カバーをかぶせる+ヒートマット(サーモ付き)+LEDライト。予算:1〜3万円前後 |
| ベランダ・寒い部屋 | ビニール温室+温室用パネルヒーター+サーモスタット。予算:2.5〜4万円前後 |
| ヒーターの目安 | 温室の容積に合ったワット数を選ぶ(例:昭和精機 SPE-250は幅89×奥行49×高さ150cmクラスで外気温+10℃が目安) |
| 必須アイテム | サーモスタット(温めすぎ・冷えすぎ防止)と温度計(最低温度の確認) |
| 最低温度の目安 | 休眠中の夏型塊根:10℃以上/冬型塊根:5℃以上/熱帯性の観葉植物:10〜15℃以上 |
| 最大の注意点 | ⚠️ 家庭用ストーブを温室内で使わない・晴れた日の高温・結露 |
なぜ冬に温室・ヒーターが必要?植物別の最低温度の目安

塊根植物や多肉植物、観葉植物の多くは、アフリカやマダガスカル、中南米などの暖かい地域が原産です。日本の冬は、室内に取り込んでいても夜間の窓際や暖房を切った部屋で10℃を大きく下回ることが珍しくありません。特に、明け方の冷え込みと、土が湿った状態が重なると、根や塊根を傷める大きな原因になります。
簡易温室やヒーターは、こうした「夜間の最低温度」を底上げするための道具です。まずは、育てている植物が何℃まで耐えられるのかを知り、そこから必要な設備を逆算しましょう。以下は、栽培で一般的に使われている管理上の目安です。品種や株の状態、乾燥具合によって耐えられる温度は変わるため、余裕を持った温度で管理してください。
| 植物のグループ | 冬の状態 | 最低温度の目安 | 代表的な種類 |
|---|---|---|---|
| 夏型の塊根植物(休眠させる) | 落葉して休眠 | パキポディウム(グラキリスなど)、アデニウム、オペルクリカリア、ドルステニア | |
| 夏型の株を冬も育てる場合 | 葉を残して生育 | 発根管理中の株、実生苗、LED管理で休眠させない株 | |
| 冬型の塊根植物 | 秋〜春に生育 | 亀甲竜、オトンナ、チレコドン | |
| 熱帯性の観葉植物 | 生育が緩やかになる | アグラオネマ、アロイド類の一部など、特に寒さに弱い種類 |
※当サイトの各種ガイド記事で解説している管理上の目安をまとめたものです。耐寒温度は乾燥状態や株の大きさで変わるため、同じ種類でも余裕を持った温度で管理してください。
アクベル冬が生育期の冬型の塊根植物(亀甲竜・オトンナ)と、冬は休眠させて管理する夏型の代表種(グラキリス)の育て方は、こちらの記事で種類ごとに詳しく解説しています⬇︎⬇︎






冷えるのは「明け方の窓際」
室温計がリビングの真ん中で15℃を示していても、窓ガラスのすぐそばや床付近は、それより大きく冷え込んでいることがよくあります。植物を置いている場所そのものの最低温度を、最高最低温度計やスマート温湿度計で一度記録してみましょう。数値がわかれば、「保温グッズで足りるのか」「ヒーターが必要なのか」が一目で判断できます。
簡易温室
冷気・すきま風を防ぎ
熱を逃がさない
ヒーター
温室内の空気や
鉢を温める
サーモスタット
設定温度で
ヒーターを自動制御
温湿度計
最低温度と湿度を
記録・確認
保温グッズ
窓・床からの冷えを
低コストで遮る
サーキュレーター
温度ムラと
蒸れを防ぐ



冬型・夏型ごとの水やりや置き場所など、冬越しの管理方法そのものについては、こちらの冬越し完全ガイドで詳しく解説しています。この記事とあわせてご覧ください⬇︎⬇︎


簡易温室の種類と選び方|置き場所で選ぶ4タイプ


家庭用の簡易温室は、大きく分けて「ビニール温室(自立タイプ)」「植物棚にかぶせる温室カバー」「ガラスキャビネット温室」「衣装ケースなどのDIY温室」の4タイプがあります。どれが正解というわけではなく、置き場所(屋外か室内か)と、株数・株の大きさで選ぶのが失敗しないコツです。


① ビニール温室(自立タイプ)
ベランダ・軒下・寒い部屋向け
パイプの骨組みと棚板にビニールカバーをかぶせる定番タイプ。数千円から手に入り、ファスナーで開閉できるものが主流です。屋外で使う場合は、風で倒れないよう固定が必須です。


② 植物棚にかぶせる温室カバー
室内のメタルラック・植物棚向け
今使っている植物棚をそのまま温室化できるタイプ。LEDライトやヒートマットを付けた棚と相性が良く、室内管理の主力棚を冬仕様にしたいときに便利です。棚のサイズに合うカバーを選ぶのが前提です。


③ ガラスキャビネット温室
リビング・書斎など見せる場所向け
家具として部屋になじむガラス製の温室。インテリア性を重視したい方や、実生苗・発根管理など湿度を保ちたい用途に向いています。密閉性が高いぶん、蒸れと結露への対策が欠かせません。


④ 衣装ケース・発泡スチロールのDIY温室
小苗・実生・数鉢だけ守りたい人向け
透明な衣装ケースや発泡スチロール箱を使った手作りの温室。小さな実生苗や挿し木苗を少数だけ守りたいときに手軽です。ヒートマットと組み合わせる場合は、温度の上がりすぎに注意しましょう。
簡易温室タイプ別の比較表
| 項目 | ビニール温室 | 温室カバー | ガラスキャビネット | DIY温室 |
|---|---|---|---|---|
| 価格の目安 | 数千円〜1万円前後 | 数千円前後(棚は別) | 3万円前後〜 | 数百円〜数千円 |
| 屋外での使用 | ◎(固定必須) | △(室内向けが中心) | × | △ |
| 保温力 | 中 | 中 | 中〜高 | 小〜中 |
| LEDとの相性 | ○ | ◎ | ◎(外付け可能な製品も) | △ |
| 見た目 | △ | ○ | ◎ | △ |
| 向いている人 | ベランダで越冬させたい人 | 室内の植物棚をそのまま使いたい人 | インテリア性を重視する人 | 小苗を少数だけ守りたい人 |
失敗しない簡易温室の選び方|5つのチェックポイント


幅・奥行・高さに加えて、扉やファスナーを開け閉めするスペースも確認します。室内の植物棚に使う場合は、棚の外寸に合うカバーかどうかが最重要です。
背の高い株は、棚の段間が足りないと入りません。塊根植物は鉢のサイズより背丈がネックになりやすいため、一番背の高い株を基準にしましょう。
前面が大きく開くもの、天井窓やメッシュ部分があるものは、水やりや昼間の換気が楽になります。晴れた日は温室内が高温になりやすいため、換気のしやすさは保温力と同じくらい大切です。
電源コードを通す穴やすき間があるか、ヒーターの周囲に必要な空間を確保できるかをチェックします。電源タップは温室の外に置くのが基本です。
ビニールカバーは紫外線などで劣化するため、替えカバーが手に入る製品だと長く使えます。夏はカバーを外して通気の良い植物棚として使えるタイプが便利です。
おすすめの簡易温室3選|ビニール温室・ラック用カバー・ガラスキャビネット
タイプの異なる3製品を、メーカーや販売店が公開している仕様をもとに比較しました。BIBILABの植物棚シリーズは、2026年10月に「BIBIPLANTS(ビビプランツ)」として独立し、看板製品の「ビザールプランツラック」は「ジャングルラック」へと名称が変わっています。購入時は最新の型番を確認してください。
| 項目 | タカショー 折りたたみダブルジップ温室 3段 |
BIBILAB ビニール温室カバー LPP-V800 (LPR-800専用・カバーのみ) |
BIBILAB ビザールプランツラック キャビネット LPR-800G |
|---|---|---|---|
| 写真 | ![]() ![]() |
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| タイプ | ビニール温室(自立・棚付き) | 植物棚にかぶせる専用カバー (カバー単体の商品) |
ガラスキャビネット温室(本体) |
| 型番 | GRH-F02(4段のGRH-F03もあり) | LPP-V800 | LPR-800G(後継:ジャングルラック キャビネット LPR-J800G-BK) |
| サイズ | 幅69×奥行49×高さ125cm | 幅85.5×奥行36.5×高さ80.5cm | 幅85×奥行37.5×高さ81.5cm |
| 特徴 | ダブルジップで部分的に開閉でき、折りたたみ収納が可能 | マグネット入りフラップで前面をフルオープン。クリアPVCで中が見やすい | 観音開きの扉とガラス天板。外に置いたLEDの光を天板越しに当てられ、背面に通気孔4つ |
| 対応ラック | 本体に棚板付き(これだけで使える) | ビザールプランツラック LPR-800専用 ラック本体は別売 |
本体のみで使える(同シリーズと連結可能) |
| 価格の目安 |
¥5,980〜 タカショー 折りたたみダブルジップ温室 3段 GRH-F02
¥8,490 (2026/10/29 13:11時点 | 楽天市場調べ)
|
参考¥4,160 ※カバーのみの価格。ラック本体(LPR-800)は別途購入が必要 BIBILAB ビニール温室カバー LPP-V800
¥4,800 (2026/10/29 13:33時点 | 楽天市場調べ)
|
参考¥32,000 BIBILAB ビザールプランツラック キャビネット LPR-800G
¥33,800 (2026/10/29 13:32時点 | 楽天市場調べ)
|
| 向いている人 | ベランダ・玄関先で冬越しさせたい人 | LPR-800をすでに使っている人、またはLPR-800と一緒にそろえたい人 | リビングで見せながら冬越しさせたい人 |
IKEAのガラスキャビネット「ルードスタ」を簡易温室にする方法
海外では、IKEAのガラス扉キャビネットを植物用の温室に改造する「IKEA Greenhouse Cabinet」が定番になっています。中でもルードスタ(RUDSTA)は、スチールとガラスでできたスリムなキャビネットで、リビングに置いても家具としてなじむのが魅力です。ただし、もともとは飾り棚として作られた家具なので、換気口や配線穴はありません。温室として使うには、ファンや温湿度計などを自分で追加する必要があります。


IKEA ルードスタ(RUDSTA)ガラス扉キャビネット
フレームはスチール、側面と扉はアルミと強化ガラスでできています。幅42cmとスリムで、床面積をとらずに縦の空間を使えるのが特長です。棚板1段あたりの耐荷重は5kgなので、重い陶器鉢や大株を並べるのには向きません。
| 温室にするために追加するもの | 目的 | ポイント |
|---|---|---|
| 小型ファン(USBファンなど) | 空気を動かして蒸れ・カビを防ぐ | キャビネットは密閉性が高く空気がこもりやすいため、温室化では最も重要なアイテム |
| 温湿度計 | 温度・湿度の上がりすぎや冷え込みを確認する | スマート温湿度計ならアプリで履歴を確認でき、扉を開けずに中の状態がわかる |
| 植物育成LEDライト | 冬の光量不足を補う | 天板はガラスではないため、ライトは内側の上部に取り付けるのが一般的。湿気がこもるので防水性や結露に注意する |
| ヒートマット(必要な場合) | 根元を温める | 密閉された空間は温度が上がりやすいため、必ずサーモスタットと組み合わせる |
ルードスタを温室にするときの注意点
①壁への固定が必須:IKEAは転倒防止のため、壁にしっかり固定するよう案内しています。
②配線穴がない:電源コードは扉のすき間から通すなどの工夫が必要です。電源タップはキャビネットの外に置きましょう。
③湿気がこもりやすい:塊根植物や多肉植物は蒸れに弱いため、ファンで空気を動かし、晴れた日は扉を開けて換気します。乾燥を好む株より、実生苗や湿度を好む植物に向いています。
④電化製品の結露に注意:内部に置くLEDやファン、電源まわりが結露で濡れないよう、こまめに確認してください。
メタルラック(ルミナスなど)に使うなら「外寸」で選ぶ
室内管理で定番のメタルラックに市販のビニールカバーを使う場合は、ラックの外寸(幅・奥行・高さ)より少し大きいカバーを選びます。カバーが小さいと支柱で突っ張って破れやすく、大きすぎるとすき間から暖気が逃げます。LEDパネルを吊るしている場合は、ライトの熱と湿気がこもらないよう、天面にすき間を残すか、昼間はファスナーを少し開けて換気しましょう。
植物用ヒーターの種類と選び方|パネルヒーター・ヒートマット・暖房器具の違い


植物のための加温方法は、「温室の空気を温める」のか、「鉢(根元)を温める」のか、「部屋全体を温める」のかで大きく3つに分かれます。それぞれ得意なことが違うため、組み合わせて使うこともよくあります。
| 種類 | 温める場所 | メリット | デメリット・注意点 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|---|
| 温室用パネルヒーター | 温室内の空気 | 温室用に設計されており、ファンなしで静か。サーモと組み合わせて温度を一定に保ちやすい | 温室のサイズに合ったワット数が必要。本体の真上や周囲に物を置けない | ビニール温室・ベランダ温室の空気をまるごと温める |
| ヒートマット(植物用) | 鉢・根元 | 消費電力が小さめ。根の温度を直接安定させられ、植物棚の段ごとに使える | 空気までは温まりにくい。温度センサー付きのサーモで管理しないと温めすぎることがある | 室内の植物棚、発根管理、実生、冬型の生育株 |
| 部屋の暖房(エアコンなど) | 部屋全体 | 植物の数が多くても一括で管理できる。温度ムラが少ない | 電気代が大きくなりやすく、空気が乾燥しやすい。温風が直接当たると葉や株が傷む | 植物部屋・コレクションが多い場合 |
| 家庭用の電気ストーブ・ファンヒーター | 周囲の空間 | 手元にあればすぐ使える | ビニールや鉢、カバーに触れると火災の危険があり、狭い温室内での使用には向かない | 温室内での使用はおすすめしない |
迷ったら「室内棚はヒートマット、ビニール温室はパネルヒーター」
室内の植物棚で管理していて、部屋がある程度暖かいなら、ヒートマットで根元を温めるのが効率的です。一方、ベランダや暖房のない部屋に置いたビニール温室では、空気そのものが冷えるため、温室用パネルヒーターで温室内の空気を温めるほうが向いています。寒冷地では、パネルヒーターとヒートマットを併用するケースもあります。
温室用パネルヒーターの比較|ワット数と温室サイズの目安


家庭用の小型温室向けヒーターとして定番なのが、昭和精機工業のパネルヒーターです。アルミ製の放熱板からゆるやかに放熱し、温室内に自然な対流を起こして全体を温めます。モーターやファンを使わないため、夜間でも作動音がほとんど気になりません。ワット数ごとに「外気温より約10℃上昇させる」目安となる温室サイズが示されているので、自分の温室の大きさから選びましょう。
| 項目 | 昭和精機工業 パネルヒーター SP-150 |
昭和精機工業 パネルヒーター SPE-200 |
昭和精機工業 パネルヒーター SPE-250 |
|---|---|---|---|
| 写真 | ![]() ![]() |
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| 消費電力 | 150W | 200W | 250W |
| 適した温室サイズ(目安) | 幅85×奥行44×高さ120cm程度 | 幅85×奥行45×高さ150cm程度 | 幅89×奥行49×高さ150cm程度 |
| サーモスタット | なし(別売のサーモが必要・増設用) | 付属 | Eサーモ(グリーンサーモ E-300E)付属 |
| 本体サイズ | — | — | 直径12.7×高さ19.4cm(コード・突出部含まず) |
| 安全装置 | 温度ヒューズ内蔵 | 温度ヒューズ内蔵 | 温度ヒューズ内蔵 |
| 価格の目安 |
¥8,900前後〜 昭和精機工業 パネルヒーター SP-150
¥9,130 (2026/10/29 13:08時点 | 楽天市場調べ)
|
¥18,700前後〜 昭和精機工業 パネルヒーター SPE-200
¥18,298 (2026/10/29 13:08時点 | 楽天市場調べ)
|
¥20,500前後〜 昭和精機工業 パネルヒーター SPE-250
¥20,498 (2026/10/29 12:53時点 | 楽天市場調べ)
|
| 向いている温室 | 2〜3段の小型ビニール温室(サーモ別途) | 4段クラスのスリムな温室 | 4段クラスの標準的なビニール温室 |
※適した温室サイズは、外気温に対して約10℃上昇させる場合の目安として販売店・利用者が紹介している数値です。寒冷地や屋外の風当たりの強い場所では、ワンランク上のワット数や保温グッズの併用を検討してください。価格は2026年10月時点の通販の目安です。
ワット数は「温室の容積」と「外の寒さ」で決まる
同じ温室でも、北風の当たるベランダと室内の廊下では必要な熱量がまったく違います。目安の「外気温+10℃」は、たとえば外気温が0℃の夜に温室内を10℃前後に保てる、というイメージです。外気温が氷点下になる地域や、温室内を15℃以上に保ちたい場合は、ワット数に余裕を持たせるか、プチプチなどの保温資材で温室を二重にして熱を逃がさない工夫を組み合わせましょう。


昭和精機工業 パネルヒーター 250W(Eサーモ付)SPE-250
植木鉢ほどのコンパクトなサイズで、温室内で場所をとりません。サーモスタットがセットになっているため、届いたその日から温度管理を始められます。本体の真上には鉢を置かず、周囲に10cm程度のすき間を空けて設置しましょう。
ヒートマットの選び方|室内の植物棚なら「根元を温める」


ヒートマットは、鉢の下に敷いて根や塊根の周りの温度を安定させるためのアイテムです。部屋の空気を温めるより消費電力が小さく、植物棚の段ごとに必要な分だけ加温できるのが強みです。選ぶときは、棚板の内寸に収まるサイズか、温度を何で制御するか、防水性能はどうかの3点を確認しましょう。
| 製品 | サイズ | 出力 | 温度の制御方法 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| HaruDesign サーモスタットHT-1000+ヒートマットSA-12N | 55×35cm | 110W | 土に挿すプローブで鉢の中の温度を測り、5〜42℃で設定 | IP67防水。電源タップでマットを追加でき、合計1000Wまで制御可能 |
| BRIM HMT-330 | 33×53cm | — | 保温時に出力を自動調整 | 保温時は出力が10〜40Wの間で自動調整され、平均約30Wになるとメーカーが説明 |
| BRIM HMT-400 | 40×40cm | — | 保温時に出力を自動調整(HMT-330と同様の説明) | 正方形で小さめの棚やトレーに置きやすい |
| 怪獣サーマット Lサイズ | 85×40cm | 190W | 0〜50℃で温度調整 | IP67。幅の広い棚を1枚でカバーしやすい |
※各メーカー・販売店の公開情報にもとづきます(2026年10月時点)。「—」は公式の数値を確認できなかった項目です。


HaruDesign サーモスタットHT-1000+ヒートマットSA-12N セット
土の中の温度を測りながらヒートマットのオン・オフを自動で切り替えるため、温めすぎや冷えすぎを防ぎやすいのが特長です。SA-12Nはサーモスタットに接続して使う追加用マットなので、単体でコンセントに直接つながず、必ずセットで使いましょう。
AQUAVERDE・LABでも愛用中のヒートマット
当サイトでは、HaruDesignのヒートマットをたくさん使って冬の管理をしています。サーモスタットのプローブを鉢の土に挿しておけば、室温ではなく実際の鉢の中の温度を基準にオン・オフしてくれるので、温めすぎの心配が少ないのが使い続けている理由です。しかもサーモスタットに合計9台ヒートマット(SA-12N)を同時接続して一括管理できます。冬型の生育株や発根管理中の株など、冬も根を動かしたい株を管理するときの定番アイテムになっています。
休眠中の夏型の株には、ヒートマットは基本的に不要
落葉して休眠させている夏型の塊根植物は、10℃以上の室温があれば十分です。休眠中の株を鉢の下から温めると、中途半端に目覚めて新芽を出し、光不足で徒長したり体力を消耗したりすることがあります。ヒートマットは、冬型の生育中の株や、発根管理・実生苗など休眠させずに育てる株のための道具と考えましょう。



ヒートマットが活躍する発根管理や実生の具体的な手順は、塊根植物の王様・パキプスの完全ガイドで詳しく解説しています⬇︎⬇︎





メタルラック(幅76cm・幅91.5cm)の棚1段に、どのヒートマットが何枚収まるのか、カバー率まで図で比較した内容は冬越し完全ガイドにまとめています。棚の幅に合うマットを選びたい方はあわせてご覧ください⬇︎⬇︎


サーモスタットと温湿度計の選び方|「設定できる温度範囲」が最重要


サーモスタットは、温度センサーで温室や鉢の温度を測り、設定した温度に達したらヒーターの電源を切り、下がったら入れる装置です。ヒーターをつけっぱなしにすると、晴れた日中に温室内が高温になったり、電気代が無駄にかかったりするため、ヒーターとサーモスタットは必ずセットで使うのが基本です。
| サーモスタット | 設定できる温度範囲 | 接続できる容量 | 植物での使いやすさ |
|---|---|---|---|
| HaruDesign HT-1000 | 5〜42℃ | 合計1000Wまで | ◎低い温度まで設定でき、冬型・休眠株の保温にも対応しやすい |
| 昭和精機工業 グリーンサーモ E-300E(SPE-250付属) | 15〜40℃ | 300Wまで | ○15℃以上を保ちたい生育株・発根管理向き |
| 爬虫類用サーモ(例:GEX イージーグローサーモ) | 18〜40℃ | 300Wまで | △下限が高めで、10℃前後で管理したい用途には合わない |
※温度範囲・容量はメーカー・販売店の掲載仕様(2026年10月時点)です。購入前に最新の仕様をご確認ください。
「下限温度」を必ずチェックする
サーモスタットには、それぞれ設定できる温度の下限があります。休眠中の夏型塊根を10℃前後、冬型を5℃前後で管理したいのに、下限が15℃や18℃のサーモを使うと、必要以上に温め続けることになり、電気代がかさむうえ、休眠中の株を目覚めさせてしまうこともあります。自分が保ちたい温度を設定できるかを、ワット数(接続容量)とあわせて必ず確認しましょう。
温湿度計は「最低温度」と「記録」がわかるものを
冬越しで知りたいのは、今の温度よりも「夜のうちに何℃まで下がったか」です。最高・最低温度を記録できる温度計や、スマホで温湿度の履歴を確認できるスマート温湿度計を、温室内や植物棚の一番冷える場所に置いておきましょう。
| タイプ | わかること | メリット | こんな人に |
|---|---|---|---|
| 最高最低温度計 | 前回リセットしてからの最高・最低温度 | 電源不要で安価。明け方の冷え込みが一目でわかる | まずは置き場所の最低温度を知りたい人 |
| スマート温湿度計 | 温度・湿度の履歴グラフ、設定値を超えたときのアラート | 外出先から確認できる(ハブ併用時)。ヒーター故障や冷え込みにすぐ気づける | 温室やヒーターを使う人、複数の棚を管理する人 |


SwitchBot 温湿度計プラス
スイス製センサーを搭載したスマート温湿度計で、アプリに温湿度の履歴が残ります。設定した温度・湿度に達するとアラートで知らせてくれるため、ヒーターの不調や想定外の冷え込みに早く気づけます。外出先から確認したり通知を受け取ったりするには、別売のハブとの併用が必要です。
保温グッズの選び方|電気を使わずに冷えを防ぐ方法
ヒーターを使う前に、まず取り組みたいのが「熱を逃がさない」工夫です。窓や床からの冷気を遮るだけで、植物の周りの最低温度が上がり、ヒーターの稼働時間=電気代も抑えられます。ホームセンターや100円ショップで手に入るものも多いので、ヒーターと組み合わせて使いましょう。
| 保温グッズ | 主な使い方 | 効果のイメージ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 気泡緩衝材(プチプチ) | ビニール温室の内側や窓ガラスに貼る、温室の外側を覆う | 空気の層で断熱し、温室を「二重構造」にできる | 光が弱くなるため、日中は光を通す面を残す。ヒーター本体に触れさせない |
| 窓用断熱シート | 窓ガラスに水貼りなどで貼る | 窓際の冷え込みと結露を和らげる | ガラスの種類(型板ガラス・網入りガラスなど)によって使えるものが異なる |
| アルミ保温シート | 棚板や床に敷く、温室の背面に貼る | 床からの冷えを遮り、熱を反射する | 光を通さないため、植物の上側や採光面には使わない |
| 発泡スチロール箱・板 | 小苗を箱ごと保温する、鉢の下に敷く | 断熱性が高く、床冷えに強い | ふたを閉めたままにすると光が入らず蒸れるため、夜間の保温用と考える |
| 段ボール・毛布 | 夜だけ温室や植物棚を覆う | 一晩の急な冷え込みに手軽に対応できる | 朝は必ず外して光と風を通す。湿ると保温力が落ちる |
| 厚手のカーテン | 夜間に窓と植物の間を仕切る | 窓から伝わる冷気を部屋側へ通しにくくする | 植物を窓とカーテンの間に閉じ込めると、かえって冷えるので注意 |
夜は「窓から30cm」離すだけでも変わる
日中は窓辺で光を当て、夜は窓から少し離した場所へ移す、あるいは厚手のカーテンを植物と窓の間に引く——これだけで明け方の冷え込みはかなり和らぎます。窓とカーテンの間は、夜になると屋外に近い温度まで下がることがあるので、夜間に植物をカーテンの内側(窓側)に置いたままにしないようにしましょう。


窓際の冷えの多くはガラスとサッシから伝わります。断熱シートと断熱テープの併用で、窓辺の冷え込みと結露を和らげます。
床に直接置いた鉢は、床の冷たさがそのまま伝わります。鉢の下に断熱材を敷くか、棚の上段へ移しましょう。
寒冷地やベランダでは、温室の北側・背面・天面をプチプチで覆うと保温力が上がります。光を取り込む南側は透明のまま残しましょう。
天気予報で強い冷え込みがわかっている夜は、温室や棚の外側を一時的に覆います。翌朝は必ず外して、光と風を通しましょう。
目的・予算別|冬越し設備のおすすめ組み合わせ3パターン


ここまで紹介したアイテムを、置き場所と予算に合わせて3つのパターンに組み合わせました。自分の環境に近いものを出発点にして、足りない部分を足していくのがおすすめです。


窓辺の数鉢を守るセット|予算:数千円〜・電気をほぼ使わない
暖房のあるリビングの窓辺で、数鉢を管理している方向けのセットです。まずは冷えの原因である窓と床を対策し、最低温度を記録して様子を見ます。
窓用断熱シート・サッシ用断熱テープ
鉢の下にアルミシートや発泡スチロール
最高最低温度計(またはスマート温湿度計)


室内の植物棚で育てるセット|予算:1〜3万円前後・室内管理の主力
メタルラックや植物棚にLEDライトを付けて室内管理している方向けのセットです。棚を温室カバーで囲い、生育させたい株はヒートマットで根元を温めます。
棚に合う温室カバー
ヒートマット+プローブ式サーモスタット
LEDライト・小型サーキュレーター・スマート温湿度計


ベランダ・寒い部屋で越冬させるセット|予算:2.5〜4万円前後・空気ごと温める
株数が多く室内に入りきらない方や、暖房のない部屋で管理する方向けのセットです。ビニール温室の中をパネルヒーターで温め、プチプチで熱を逃がさないようにします。
ビニール温室(4段クラス)+転倒防止の固定
温室用パネルヒーター(サーモ付き)
プチプチで北側・背面を二重に/温湿度計
温室の中でもLEDは必要
温室やカバーで囲うと、ビニールを通す分だけ光は弱くなります。特に冬型の生育株や、休眠させずに育てる株は、冬の短い日照だけでは光量が足りず徒長しがちです。LEDライトは高温多湿の温室内より、カバーの外側や天板の上から照らすと、結露による故障のリスクを減らせます。



冬の室内管理で欠かせないLEDライトの選び方や、PPFD・DLIの目安、植物ごとのおすすめ光量については、こちらの完全ガイドで詳しく解説しています⬇︎⬇︎


植物用ヒーターの電気代はいくら?1か月のシミュレーション


ヒーターの電気代は、消費電力(kW)×稼働時間(h)×電気料金の単価(円/kWh)で計算できます。サーモスタットを使うと、設定温度に達している間は加熱が止まるため、実際の電気代は「24時間フル稼働した場合の上限」より低くなります。ここでは電気料金の目安単価を31円/kWhとして、30日間の上限と、稼働率30%の場合の試算を並べました。
| ヒーター | 消費電力 | 1か月の上限 (24時間×30日) | 稼働率30%の試算 |
|---|---|---|---|
| BRIM HMT-330(保温時の平均) | 平均約30W | 約670円 | — |
| HaruDesign SA-12N(HT-1000で制御) | 110W | 約2,455円 | 約737円 |
| 昭和精機工業 SP-150 | 150W | 約3,348円 | 約1,004円 |
| 怪獣サーマット Lサイズ | 190W | 約4,241円 | 約1,272円 |
| 昭和精機工業 SPE-200 | 200W | 約4,464円 | 約1,339円 |
| 昭和精機工業 SPE-250 | 250W | 約5,580円 | 約1,674円 |
※電気料金の目安単価31円/kWhで計算した試算です。実際の電気代は契約プラン、外気温、設定温度、温室の保温性によって大きく変わります。BRIM HMT-330は、メーカーが説明する保温時の平均消費電力(約30W)で計算しています。
電気代を抑える3つのコツ
①設定温度を必要以上に上げない:休眠中の株なら10℃前後で十分です。設定温度が高いほど稼働時間は長くなります。
②保温グッズで熱を逃がさない:プチプチや断熱シートで温室を二重にすると、ヒーターが止まっている時間が長くなります。
③ヒーターは「必要な場所」だけに:部屋全体を暖めるより、温室や棚の段ごとに温めるほうが効率的です。
簡易温室とヒーターの設置手順と運用のコツ
温室とヒーターは、置き方ひとつで温度ムラや故障のリスクが大きく変わります。パネルヒーターを使ったビニール温室を例に、設置の流れをまとめました。


屋外では、壁際など風当たりの弱い場所を選び、ロープや重しで転倒を防ぎます。室内では、窓から少し離した明るい場所が理想です。
暖かい空気は上へ昇るため、パネルヒーターは温室の最下段に置きます。本体の真上には鉢を置かず、周囲は10cm程度空けて、ビニールカバーや鉢が触れないようにします。
センサーをヒーターのすぐ近くに置くと、温室全体が温まる前に加熱が止まってしまいます。ヒーターから離れた対角線上の、植物の高さに近い位置に設置するのが基本です。
温室の上段と下段、手前と奥で温度は意外と違います。最も冷える場所の最低温度が目標を下回らないか、数日間記録して確認しましょう。
日差しの強い日は、ヒーターが止まっていても温室内が高温になることがあります。ファスナーや天井窓を開けて換気し、小型のサーキュレーターで空気を循環させて蒸れや温度ムラを防ぎます。
温室内の水やりは「晴れた日の午前中」に
温室内は湿気がこもりやすく、夕方以降に水やりをすると、夜間に鉢が冷えたまま湿った状態が続き、根腐れやカビの原因になります。水やりは晴れた日の午前中に行い、日中に換気して余分な湿気を逃がしましょう。冬は休眠している株が多いので、水やりの頻度そのものも控えめが基本です。
温室・ヒーターの安全対策|火災と結露を防ぐポイント


製品評価技術基盤機構(NITE)は、暖房器具の事故が毎年11月ごろから増え、12月にピークを迎えるとして注意を呼びかけています。可燃物の接触による事故では、電気ストーブによるものが特に多いと報告されており、火を使わない暖房器具でも、燃えやすいものが触れれば火災につながるおそれがあります。ビニールや段ボール、乾いた用土に囲まれた温室は、まさに注意が必要な環境です。
🧯 温室・ヒーターで特に注意したい4つのリスク
家庭用ストーブを温室の中で使わない
人が使う電気ストーブやファンヒーター、石油ストーブは、狭いビニール温室の中で使う前提で作られていません。カバーや鉢が触れやすく、火災や、燃焼式の暖房器具では換気不足による事故につながるおそれがあります。温室を温めるときは、温室用のヒーターを、サーモスタットと組み合わせ、取扱説明書どおりに使いましょう。
| チェック項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| ヒーターの周囲 | 真上に物を置いていないか、周囲10cm程度にビニールや鉢が触れていないか |
| 電源タップ・コード | 定格容量を超えていないか、コードを束ねたまま使っていないか、水がかかる場所にないか |
| サーモスタット | 接続容量(W)がヒーターの消費電力以上か、センサーが外れていないか |
| プラグ・コンセント | ほこりがたまっていないか、触って熱くないか、焦げたにおいがしないか |
| 温室の固定 | 屋外の温室が風で倒れたり、ヒーターが転倒したりしないよう固定されているか |
簡易温室・ヒーターのよくある失敗と対策


| よくある失敗 | 起こること | 対策 |
|---|---|---|
| ヒーターの真上に鉢を置いた | 鉢が熱くなって根が傷む、空気が循環せず温度ムラが出る | ヒーターの真上は空け、周囲に10cm程度のすき間を確保する |
| サーモなしで24時間つけっぱなし | 日中に高温になる、電気代がかさむ | サーモスタットと必ずセットで使い、最高温度も記録する |
| サーモのセンサーをヒーターの横に置いた | すぐに加熱が止まり、温室の奥や上段が冷えたまま | センサーはヒーターの対角線上、植物の高さに近い位置へ |
| 休眠中の株をヒートマットで温めた | 中途半端に芽が動き、光不足で徒長・体力を消耗する | 休眠株は室温10℃以上で静かに管理し、マットは生育株に使う |
| 温室を締め切ったまま晴れた | 温室内が高温になり、葉焼けや蒸れが起こる | 晴れた日は換気し、サーキュレーターで空気を動かす |
| 夕方に水やりをした | 夜間に鉢が冷えたまま湿り、根腐れやカビの原因になる | 水やりは晴れた日の午前中に、量は控えめに |
| 温室の中でLEDが結露で濡れた | 故障やショートのおそれ | LEDはカバーの外側や天板の上から照らし、防水仕様を確認する |



冬の過湿や低温で塊根が軟らかくなったり、根腐れが疑われたりする場合は、原因の切り分けと復活手順をまとめたこちらの記事もあわせてご覧ください⬇︎⬇︎


冬越し設備の準備カレンダー|10月〜4月にやること
温室やヒーターは、寒くなってから慌てて探すと品切れになっていることもあります。最低気温の推移に合わせて、早めに準備を進めましょう。地域によって1か月ほど前後するため、カレンダーより実際の最低気温を基準にしてください。
| やること | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 設備の準備 | 温室・ヒーター・サーモを購入、動作確認 | 温室を設置、保温グッズを貼る | — | — | — | — | 片付け・カバーの洗浄 |
| 取り込み | 最低気温15℃前後で寒さに弱い株から | 最低気温10℃前後で取り込み完了 | — | — | — | 暖かい日中だけ外へ慣らす | 最低気温が安定したら外へ |
| ヒーター | 試運転 | 冷え込む夜から稼働 | 本格稼働 | 本格稼働 | 本格稼働 | 設定温度を下げて様子見 | 停止 |
| 温度の記録 | 置き場所の最低温度を確認 | 毎朝チェック | 毎朝チェック | 毎朝チェック | 毎朝チェック | 日中の高温にも注意 | — |
| 換気 | 晴れた日は必ず | 晴れた日の日中 | 晴れた日の日中 | 晴れた日の日中 | 晴れた日の日中 | こまめに | カバーを開放 |
| 安全点検 | コード・プラグの点検 | 周囲の可燃物を確認 | 月1回点検 | 月1回点検 | 月1回点検 | 月1回点検 | 収納前に点検 |
簡易温室・植物用ヒーターでよくある質問(FAQ)


暖房のある部屋で、植物を置いている場所の最低温度が目安を下回らないなら、必ずしも必要ではありません。ただし、窓際や暖房を切った夜間は想像以上に冷え込むことがあります。まずは最高最低温度計やスマート温湿度計で置き場所の最低温度を記録し、足りない場合に温室カバーや保温グッズ、ヒーターを追加するのがおすすめです。
温室の容積と外気温で決まります。目安として、昭和精機工業のパネルヒーターSPE-250(250W)は幅89×奥行49×高さ150cm程度の温室で、外気温より約10℃上昇させる目安とされています。寒冷地や屋外の風当たりの強い場所、温室内を15℃以上に保ちたい場合は、ワット数に余裕を持たせるか、プチプチなどで温室を二重にして保温力を高めましょう。
おすすめしません。家庭用の電気ストーブやファンヒーターは、狭いビニール温室の中で使う前提で作られておらず、カバーや鉢、段ボールなどが触れると火災につながるおそれがあります。温室を温めるときは、温室用のヒーターをサーモスタットと組み合わせ、取扱説明書どおりに使ってください。
目的によって使い分けます。室内の植物棚で、部屋がある程度暖かい場合は、鉢の根元を温めるヒートマットが効率的です。ベランダや暖房のない部屋に置いたビニール温室のように、空気そのものが冷える環境では、温室内の空気を温めるパネルヒーターが向いています。寒冷地では両方を併用することもあります。
必要です。サーモスタットがないとヒーターが加熱し続け、晴れた日中に温室内が高温になったり、電気代が無駄にかかったりします。選ぶときは、接続できる容量(W)に加えて、設定できる温度の下限を確認しましょう。休眠中の株を10℃前後で管理したい場合は、下限が低いサーモスタットが必要です。
温室内外の温度差と湿気がこもることが原因です。晴れた日の日中にファスナーや天井窓を開けて換気し、小型のサーキュレーターで空気を動かしましょう。水やりは晴れた日の午前中に行い、夕方以降は控えます。防水仕様でない電化製品は温室内に入れず、LEDライトは外側から照らすと安心です。
電気料金の目安単価31円/kWhで計算すると、250Wのパネルヒーターを24時間・30日間フル稼働させた場合の上限は約5,580円、110Wのヒートマットなら約2,455円です。サーモスタットで制御すると設定温度に達している間は加熱が止まるため、実際の電気代はこれより低くなります。稼働率30%なら250Wで約1,674円が目安です。
亀甲竜やオトンナなどの冬型の塊根植物は、冬が生育期にあたるため、最低5℃以上を目安に管理します。室内で5℃を下回らない環境ならヒーターがなくても育てられますが、窓際や寒い部屋では、ヒートマットなどで根元を温めると生育が安定します。あわせて、冬の短い日照を補うLEDライトの併用もおすすめです。
締め切ったビニール温室は、冬でも晴れた日中に高温になることがあります。ヒーターはサーモスタットで制御し、日中はファスナーや天井窓を開けて換気しましょう。温湿度計で最低温度だけでなく最高温度も記録しておくと、換気が必要なタイミングがわかります。
まとめ|「最低温度を知る→熱を逃がさない→必要な分だけ温める」


冬越しの設備選びは、高価な温室やヒーターを買うことから始めるのではなく、植物を置いている場所の最低温度を知ることから始まります。そのうえで、窓や床からの冷えを保温グッズで防ぎ、それでも足りない分だけを、置き場所に合ったヒーターで補う——この順番で考えれば、無駄な出費や電気代を抑えながら、大切な株を安全に冬越しさせられます。
この記事の結論
①温湿度計で置き場所の最低温度を記録する、②窓用断熱シートやプチプチで熱を逃がさない、③室内棚はヒートマット・ビニール温室はパネルヒーターを選ぶ、④サーモスタットは「設定できる下限温度」を確認してセットで使う、⑤晴れた日は換気し、家庭用ストーブは温室内で使わない——この5点を押さえれば、冬越し設備の失敗はほとんど防げます。



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